消費者法ニュース(7月号・消費者法白書)とモバイルバッテリー発火事故(消費者庁)
今日は、7月最後の日ですが、ようやく消費者法ニュース7月号(№120)が出たようです(同号の目次。申込は目次の下の説明を見て下さい。)。
7月号は毎年恒例の「消費者法白書」が中心になります。今年の「消費者法白書」でも例年通り、「独占禁止法・景品表示法」を担当して書いています。この1年の消費者問題視点からの独占禁止法と景品表示法関連の話題をさらっと概観してもらうにはよいかと思いますので、よろしくお願いします。
さて、消費者庁が本日、モバイルバッテリー(スマホやタブレットなどの充電に使用するための携帯用の充電池ですね。)の発火事故について注意喚起をしています。
「・・・取扱いを誤ると発熱によってやけどを負うこともあり、場合によっては事故につながることもあります。消費者庁には、モバイルバッテリーに関する事故情報が平成25年6月から令和元年6月末までに162件寄せられています。中には、公共交通機関の中で事故が起こり、運行が遅延したり、火災が発生した事例もありました。」とされていますが、詳しい報告内容(PDF)を見てみると、この162件の事故情報の内、昨年から今年6月末までの1年半の件数は、105件と急増していることがわかります。
また、事故の事例として挙げられているのを見ると、
- 電車に乗っていたら、バッグの中で携帯電話の補助バッテリーが突然青っぽい火を噴き、バッグと電車の床のカーペットを焦がした。すぐに火は消えたが、電車は急停車し、近くの消防署が駆けつけた。
- 電車に乗っていたら胸ポケットのモバイルバッテリーが急に熱くなった。ホーム停車中だったため、慌てて電車から降りてホームにモバイルバッテリーを投げ出した。直後に火柱が上がり、駅員がバケツの水で消火した。
- 新幹線の中でかばんに入れていたスマートフォンのモバイルバッテリーが破裂し、両足にやけどをした。全治2週間と言われたが、1か月経過してもまだ治らず、通院中。
- スマートフォン用のモバイルバッテリーを充電していたら、煙が出て発火した。指もやけどした。
といった、大事故に繋がりかねないものや、身体に重大な傷害を負わせたものなど、深刻かつ危険な例が出ています。
また、消費者庁からのアドバイスとして、次の点が挙げられています。
- (1)リコール対象製品でないか、リコール情報を確認しましょう。
- (2)新規に購入する際は、PSEマークを必ず確認しましょう。
- (3)製品本体に強い衝撃、圧力を加えない、高温の環境に放置しないようにしましょう。
- (4)充電中は周囲に可燃物を置かないようにしましょう。
- (5)膨らんでいる、熱くなっている、変な臭いがするなど、いつもと違って異常を感じたら使用を中止しましょう。
- (6)充電コネクタの破損や水ぬれに注意しましょう。
- (7)公共交通機関での事故を避けるため、持込規則を確認して、それに従いましょう。
- (8)使用済みモバイルバッテリーはリサイクルに出しましょう。やむを得ず廃棄する際には他の家庭ごみと区別して出しましょう。
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