2021年10月18日 (月)

「弁護士法72条違反で」とは

明日19日が衆議院議員の総選挙の公示(告示は間違いです)ですね。

ということで、なぜか、弁護士法72条を挙げておきます。それだけ(笑)

(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第72条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

で、NHKがこれに違反しているというのをメインに主張されている政党があるようです。
弁護士法が注目されるのは悪いことではないのですが。

2021年10月13日 (水)

メルカリなどフリマへの出品と違法行為

 10月に入って、新型コロナの緊急事態宣言が全国的に終了し、その後、ここまで急速に感染者が減少してきて、まだ油断はできないものの、少し明るさが出て来たような気がします。

 さて、フリーマーケットアプリ「メルカリ」にて、ハッシュタグ(「#」)に他社商品名を表示して(#(商品名))、類似の出品物を宣伝する行為が商標権の侵害に当たるとした大阪地裁の判決が9月27日に言い渡されたことが報じられています。

→ 裁判所サイト

 メルカリのようなフリマやオークションに出品する際に、法的な知識なく、売れるためにいろいろと工夫するのは良いのですが、結構法律的な問題が生じます。ここでは詳しくは触れませんが、消費者保護法(特定商取引法、消費者契約法、景品表示法、食品表示法などなど)や今回の商標法のような知的財産法(著作権法や不正競争防止法も含みます)、薬機法、健康増進法、もちろん、一般の民法なども含めて、それなりに理解して出品、特に何度も反復して出品するような人は、特定商取引法などの対象となる「事業者」に該当することになりますので、要注意です。


 ところで、先日、消費者庁は、Webサイト「特定商取引法ガイド」に掲載されている「通信販売広告Q&A」を改定したようです。

 特定商取引法では、通信販売の事業者に義務づけられている「特定商取引法に基づく表記」での「事業者の住所、電話番号」について、「住所」については現に活動している住所、「電話番号」については確実に連絡が取れる番号を表示する必要がありますが、「通信販売広告Q&A」Q18では、以下のような措置が講じられ、住所及び電話番号について上記の要件が満たされる場合においては、通信販売の取引の場を提供するプラットフォーム事業者やバーチャルオフィスの住所及び電話番号を表示することによっても、特定商取引法の要請を満たすものと考えられます。」として、次のような場合は、自己の住所や電話番号を表示しないでよい、としています。ただし、「個人事業者、プラットフォーム事業者又はバーチャルオフィス運営事業者のいずれかが不誠実であり、消費者から連絡が取れないなどの事態が発生する場合には、特定商取引法上の表示義務を果たしたことにはなりません。」としています。

  •  個人事業者がプラットフォーム事業者の住所及び電話番号を表示する場合、当該個人事業者の通信販売に係る取引の活動が、当該プラットフォーム事業者の提供するプラットフォーム上で行われること

  •  個人事業者がプラットフォーム事業者又はバーチャルオフィスの住所及び電話番号を表示する場合、当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィスの住所及び電話番号が、当該個人事業者が通信販売に係る取引を行う際の連絡先としての機能を果たすことについて、当該個人事業者と当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィス運営事業者との間で合意がなされていること

  •  個人事業者がプラットフォーム事業者又はバーチャルオフィスの住所及び電話番号を表示する場合、当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィス運営事業者は、当該個人事業者の現住所及び本人名義の電話番号を把握しており、当該プラットフォーム事業者又は当該バーチャルオフィス運営事業者と当該個人事業者との間で確実に連絡が取れる状態となっていること

 実際には、ハードルは低くはないのですが、こういった条件が満たされない場合は、「事業者」となる出品者(本人が事業者とは思っていなくても)の出品は違法(特定商取引法違反行為)なものとなります。

 一方、出品者が事業のためのオフィスを持っておらず、自宅で内職的に出品する場合は、上記の要件を満たさない限りは、原則として(Q15、Q17参照)、自宅の住所、電話番号を世界中に公開しないといけないわけですので、大変なことになるかもしれません。

 したがって、安易に考えて、反復継続した出品を行うことは、事業者としての各種法律の義務、責任が生じることになってしまいます。つまり、冒頭に書いたように特定商取引法以外でも、消費者契約法景品表示法不正競争防止法商標法などの知的財産法薬機法、独占禁止法などに触れ、犯罪行為ともなることがありますので、メルカリやヤフオクなどで副業的に小遣い稼ぎをしようとする場合には十分な注意が必要ですし、念のためネット通販に関わる専門家に相談されたほうがいい場合もあると思います。


 



 

2021年8月 8日 (日)

「Web相談始めました」

 今回は、昨今の弁護士業務でのWeb会議システムの利用状況など(あくまでも私の周囲の話ですが)。

 新型コロナ感染問題もあって、いろいろな研修だとか学会だとかがZOOMなどのWeb会議システムを利用することがここ1年ちょっとで一気に一般化して、リアル講演だとかリアルセミナーというこれまで当たり前だったものが、ほとんど消えてしまった感があります。

 弁護士会のいろいろな委員会などもWeb会議が原則になり、裁判の期日もWebが珍しいものではなくなりました。

 私の場合は、法科大学院(ロースクール)の非常勤講師を務めており、昨年、今年と全部の授業がWebになり、学生さんとは一度も顔を合わせることなく終わるというような状態になっています。また、顧問先の企業も東京と大阪の拠点での会合がテレビ会議が原則となって、私も参加することが増えています。

 リアルに顔を合わせてコミュニケーションを行ったり、会合の後の懇親会での雑談を含めた情報交換などの交流はとても重要なものだと思いますが、そういうものが無くなってしまったことは残念であり、早く新型コロナ禍が去ってほしいものです。

 ただ、離れた人とお互いに移動することなく話ができるのは、移動時間が不要ですし、お互いの日程の都合を合わせやすくなります。また、以前のような高価なテレビ会議システムを導入しなくても、一般の個人や小さな会社であっても、それぞれパソコン(又はスマホでも)と通信環境があれば特段の費用もかからずにコミュニケーションができるようになったことは素晴らしいことだと思います。可能な状況であれば、出張先とか休暇旅行先からでもコンタクトできるわけです(あまり追いかけられるのも困ってしまいますけどね。)。

 各地の弁護士会でも、一般向けの法律相談をZOOMなどで始めたところもあるようですし、各弁護士、法律事務所もネット相談を始めているようです。

 私も、リアルの対面を原則とはしていますが、もちろん、これまでもメールでの打合せや相談のやりとりは普通のことになっていました。しかし、メール交換では時間がかかりますし、書面資料などの確認が十分にできない、ということがありました。また、文章での表現が苦手な相談者の方もおられます。そんな中、最近は、依頼者との打合せや相談をZOOMで行うことも増えてきました。今までのところは、従来の依頼者が中心ですが、今後は新規の相談者の法律相談でも取り入れていこうと思っております(本人確認の必要がありますので、住所、氏名の明示および免許証等の身分証明書の提示はお願いすることになります。)。

 既に各種の講演などでの講師の仕事もWeb化してきているのは冒頭に書いたとおりで、私も何度か経験していますが、今後は顧問先企業などに対する社員向け研修とか法律相談なども同様の形になっていくと思いますので、対応するつもりです。

 我々の業務に限らず、どの分野でもそうだと思いますが、従来のやり方がそのまま通用しない時代になったことは間違いなく、変えていかねば、ということですね。Web講演、相談のご要望がありましたら、ご連絡ください。

2021年8月 3日 (火)

個人情報保護法(令和2年改正法)新ガイドラインの公表

 8月2日に、個人情報保護法の令和2年改正に関し、個人情報保護法ガイドラインの改正についての、意見募集結果および新ガイドラインが公表されました。この個人情報保護法の令和2年改正法については、一部(刑罰など)を除き、令和4年4月1日が施行日となっています。

→ 令和2年 改正個人情報保護法について

→ 意見募集結果

→ 新ガイドライン

 なお、この令和2年改正とは別に、令和3年改正というのもあって、こちらも、いわゆる2000個問題の解消などを図る個人情報保護法一本化を中心とする重要な改正ですが、今回は、それには触れません。興味のある方は次のリンク先をご覧下さい。

→ 令和3年 改正個人情報保護法について

 さて、今回、ガイドラインが改定された令和2年改正では、

  • 利用停止・消去等の個人の請求権についての要件の緩和
  • 短期保存データを開示、利用停止等の対象に追加 
  • 再度のオプトアウトによる第三者提供の禁止
  • 「仮名加工情報」の創設
  • 法定刑の引き上げ

 などが内容となっています。ここで、これらを概説することはできませんが、かなり重要な改正となっていますので、個人情報を含むデータを取り扱う事業者は、新ガイドラインだけではなく、今回の意見募集結果に記載されている個人情報保護委員会の意見についても、十分な検討をしておく必要があります。かなりの分量ですけども。

 例えば、企業データベース事業者などは、法人の情報だけでなく、そこに個人経営企業の情報や法人の役員個人の情報などもデータベースに含まれていることも多いですので、これまで、オプトアウト制度を利用することによって本人の同意をとらずにデータベースの利用や販売が可能であったものでも、場合によっては、上記の「再度のオプトアウト」による第三者提供が禁止されたことにより、今後同様の事業活動の継続が難しくなることも考えられます。

 今後も施行までにいろいろと動きがあろうかと思いますので、注目です。


2021年6月29日 (火)

ファイナルファンタジーのガチャの不当表示(消費者庁)

 昨日(6/28)、消費者庁は、株式会社gumi(東京都新宿区)と株式会社スクウェア・エニックス(東京都新宿区)に対して、両社の供給するオンラインゲーム「WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」のガチャの表示に関して、景品表示法違反の不当表示(優良誤認)が認められたとして、措置命令を行っています。

→ 消費者庁公表資料

私は、この手のゲームはしないので、そこらの点は突っ込みませんが、両社とも消費者庁の指摘を認めて謝罪しています。
→ 消費者庁による措置命令に関するお詫び

 ガチャに関する景品表示法違反の問題については、いわゆるコンプガチャの問題があり、以前に書いています。ただ、このコンプガチャ問題は、ガチャ一般の問題ではありませんのでご注意ください。

 → 「「コンプガチャ」景品表示法違反を消費者庁が判断との報」201255)

 → 「すみません。またコンプガチャ関連です。」 2012521)

 また、景品表示法とガチャというと、不当な景品の問題と勘違いする人が多いのですが、景品表示法(正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」です)は、不当な景品と不当な表示の両方を規制する法律で、ガチャが問題になるのは、不当な景品ではなくて、不当な表示です。今回も、優良誤認表示という不当表示にあたるとして措置命令が出されたものです。

 以前書いた祭りくじとかクレーンゲームと同じことです。

 → 「祭りくじと景品表示法」201745)

 なお、景品表示法違反の措置命令が出されたことと、そのガチャに参加した人が損害賠償を請求できるかは一応別問題です。ここらは、長くなるので省略です。請求を考える人は、それなりのコストを支払って専門家にご相談ください(笑)

【追記】(6/30)

 ガチャと表示の関係で、過去にも消費者庁景品表示法違反の不当表示と認定した事案があります。面白いのは、こっちでは、上のFF(優良誤認)とは違い、有利誤認表示での措置命令となっています。なお、この件では、今年になって、アワ・パーム社は、609万円の課徴金納付命令(2021年3月29日)を受けています。

 → 「オンラインゲームの「ガチャ」におけるアイテム出現確率に関する不当表示(消費者庁)」(2018/1/26)

 また、「星のドラゴンクエスト」のガチャに関して損害賠償を求める民事訴訟が提起されましたが、一審では請求が認容されなかったという事案もありました。この判決に対しては原告らが控訴しましたが、控訴審でも棄却となっています(2019/2/21)。

 → 「「星ドラ」ガチャの表示に関する判決」 (2018/9/21)



 

2021年6月 1日 (火)

「洗たくマグちゃん」の効果についての左巻健男先生の記事

 約1ヶ月前の4月27日に、「洗たくマグちゃん」の容器包装やwebサイトの表示について、消費者庁景品表示法違反の優良誤認表示であるとして措置命令を出したことに関連して、以下のようなブログ記事を書きました。

→ 「「洗たくマグちゃん」への措置命令に関連して「根拠資料」と「特許」について」(2021/5/2)

 この記事は、私は科学者ではありませんので、「マグちゃん」の効果の有無とは関係なく、景品表示法違反として措置命令が出される場合の「不実証広告制度」で要求される「根拠資料」のことと、「特許」として認められても特許申請内容の効果が本当にあるかどうかは無関係で特許庁のお墨付きではないですよ、ということを、法律家の立場で書いたものです。

 そして、今般、理科教育の大家であられる左巻健男先生がプレジデントオンラインで、この「マグちゃん」の効果について科学的な立場から詳細な記事を書かれました。
 「「実質的にはただの水洗い」洗たくマグちゃんは無意味だと言える"科学的な理由" 「アルカリで洗う」はウソだった」と、なかなか刺激的なタイトルです(リンクは末尾)。




 左巻健男先生は私も何回かお会いしていますが、ニセ科学問題に鋭く切り込んでおられる先生で、理科教育や一般向け科学啓発の本をたくさん書かれておられます。私も何冊か持っています。また、先生が編集出版されている雑誌「リカタン」に拙文を載せていただいたこともあり、それについては、当ブログ「「RikaTan」2018年4月号(ニセ科学特集)に寄稿しました。」(2018/2/24)に書いています。

今回書かれた記事は以下から読むことができます。同じ記事が、Yahoo!ニュースにも転載されていますので、是非ご一読ください。

→ プレジデントオンライン

→ Yahoo!ニュース

 私も家庭では洗濯担当ですが、子供がドロドロに汚したり、油まみれになっているとかではない、普通に生活して着替える程度の衣服の汚れなら、洗剤もほとんど要らないと思っていますので、洗剤メーカーのド派手な宣伝もどうかとは思っておるのですが(※個人の感想です※)。

2021年3月 9日 (火)

TOONMEとAI著作権

顔の画像をコミック化するというTOONMEというのを(PCでもスマホでもできます)やってみました。
顔写真を提供するので、そこは自己責任でお願いしますね。

ディズニー風やジブリ風になります。いろいろやってみて、ヒゲのある人の写真もやってみたところ、ヒゲは反映されないようですね。

それに、猫の顔の写真とか、いらすとやさんの顔のイラストとか、フエキくんの画像とかは、エラーになりました(笑)

で、私は、ジブリ風だと(左下の写真を変換してくれます)

100_20210309215001

ディズニー風だと、皆さん寄り目気味になるようで

で、これは、何風かしりませんが(笑)

102_20210309215201

お遊びとしてはとても面白いですね。ただ、こういった技術を法律面からみると、AIやロボットの創生物の著作権をどう考えればいいのか、という最先端の議論になるのですよね。

 

2021年3月 5日 (金)

デジタルプラットフォーム事業者規制の消費者保護法案、今国会提出へ

 本日は、消費者庁関連の重要な内閣提出法案2つが閣議決定されています。

 → 第204回国会(常会)提出法案


 ひとつは、特定商取引法預託法などを改正して、定期購入商法預託商法の規制を強化するものです。ただし、この改正法案には、合わせて、所定の書面の電子化の改正も含まれていますので、この点については、かえって消費者の保護に反するものであるとして反対の意見も大きいところです。


 もうひとつは、取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律案」で、新規立法になります。

 この新法の立法理由として、「情報通信技術の進展に伴い取引デジタルプラットフォームが国民の消費生活にとって重要な基盤となっていることに鑑み、取引デジタルプラットフォームを利用して行われる通信販売に係る取引の適正化及び紛争の解決の促進に関し取引デジタルプラットフォーム提供者の協力を確保するため取引デジタルプラットフォーム提供者による消費者の利益の保護に資する自主的な取組の促進、内閣総理大臣による取引デジタルプラットフォームの利用の停止等に係る要請及び消費者による販売業者等情報の開示の請求に係る措置並びに官民協議会の設置について定める必要がある。」としています。

 対象となる「取引デジタルプラットフォーム」とは、、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(昨年成立した巨大IT規制法などと略称されている法律です。)の第2条1項で定義されている「デジタルプラットフォーム」(※1)のうち、それにより提供される場が、ネット通販やネットオークションの機能を有するもの、とされています。

 概要としては、

  1. 取引デジタルプラットフォーム事業者に対して、以下の措置の実施などについての努力義務を定める。
    ① 販売業者と消費者との間の円滑な連絡を可能とする措置
    ② 販売条件等の表示に関し苦情の申出を受けた場合における必要な調査等の実施
    ③ 販売業者に対し必要に応じ身元確認のための情報提供を求める

  2. 内閣総理大臣は、危険商品等が出品され、かつ、販売業者が特定不能など個別法の執行が困難な場合、取引DPF提供者に出品削除等を要請することができる。

  3. 消費者が損害賠償請求等を行う場合に必要な範囲で販売業者の情報の開示を請求できる権利を創設する。

 などとなっています。

 なお、施行は、公布日から1年を超えない範囲内において政令で定める日、また、施行状況及び経済社会情勢の変化を勘案した施行後3年目途の見直しを規定しています。

※1 同法第2条1項

 この法律において「デジタルプラットフォーム」とは、多数の者が利用することを予定して電子計算機を用いた情報処理により構築した場であって、当該場において商品、役務又は権利(略)を提供しようとする者の当該商品等に係る情報を表示することを常態とするもの(次の各号のいずれかに掲げる関係を利用したものに限る。)を、多数の者にインターネットその他の高度情報通信ネットワーク(放送法(略)第二条第一号に規定する放送に用いられるものを除く。)を通じて提供する役務をいう。

 当該役務を利用して商品等を提供しようとする者(略)の増加に伴い、当該商品等の提供を受けようとする者(略)の便益が著しく増進され、これにより被提供者が増加し、その増加に伴い提供者の便益が著しく増進され、これにより提供者が更に増加する関係

 当該役務を利用する者(略)の増加に伴い、他の当該役務を利用する者の便益が著しく増進され、これにより当該役務を利用する者が更に増加するとともに、その増加に伴い提供者の便益も著しく増進され、これにより提供者も増加する関係

 

 

2020年9月 1日 (火)

経産省「電子商取引等準則」改訂(債権法改正関係)

 昨日は、情報ネットワーク法学会ネット社会法務研究会にて、「デジタル・プラットフォーム事業者に関する法的問題の現状」というタイトルで、ZOOMを使ってお話しました。大層なタイトルですが、要は、プラットフォーム事業に関するいろんな法律的な動きなどを俯瞰して、ちょっと消費者法視点に寄せての話にしました。お聴きいただいた皆様ありがとうございました。
 元々、小規模なリアルの勉強会で基本的なことを話せばいい、ということで引き受けたところ、当初予定の研究会がコロナで延期となり、結局ZOOM開催ということになったため、大御所の先生方を含め、全国から予想外の人に参加いただき、私には肩の荷が重すぎる状況でしたが、何とか終えることができました。

 さて、この研究会でも少し話題にしましたが、8月28日に、経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂が公表されました。

 → 経産省ニュースリリース

 この「電子商取引及び情報材取引等に関する準則」は、経済産業省が、電子商取引・情報財取引等に係る市場の予見可能性を高める観点から、民法等の解釈を整理して、平成14年から公表し、改訂を重ねているもので、今回は、民法(債権法)の大改正(令和2年4月1日施行)があったため、それを踏まえた改訂が主なものです。
 改訂内容については、以下の通り。

(1)民法(債権法)改正に伴う所要の見直し

  • 意思表示の効力発生時期関係

Ⅰ-1-1 契約の成立時期 等

  • 錯誤関係

Ⅰ-1-2 消費者の操作ミスによる錯誤
Ⅰ-1-3 ワンクリック請求と契約の履行義務
Ⅰ-2-4 価格誤表示と表意者の法的責任(旧Ⅰ-2-2)
Ⅰ-8-2 取引当事者間の法的関係(旧Ⅰ-7-2)
Ⅰ-11-2 AIスピーカーに対して発注者が言い間違いをした場合(旧Ⅰ-10-2) 等

  • 定型約款関係

Ⅰ-2-1-1 利用規約の定型約款としての契約への組入れ(新規)
Ⅰ-2-1-2 定型約款となる利用規約の開示(新規)
Ⅰ-2-1-3 定型約款となる利用規約の契約締結後の変更(新規)
Ⅰ-2-2 事業者間契約と定型約款(新規)
Ⅰ-2-3 定型約款の規定が適用されない利用規約の契約への組入れと契約締結後の規約変更(旧Ⅰ-2-1) 等

  • 売主の担保責任関係

Ⅰ-8-2 取引当事者間の法的関係(旧Ⅰ-7-2)
Ⅰ-8-4 「ノークレーム・ノーリターン」特約の効力(旧Ⅰ-7-4)
Ⅲ-5 ソフトウェアの契約不適合責任

  • 原状回復義務関係

Ⅲ-4 ライセンス契約終了時におけるユーザーが負う義務の内容(旧Ⅲ-4-1)
Ⅲ-12-2 デジタルコンテンツ利用契約終了後のデジタルコンテンツの利用 等

(2)設問の新設、見直し、削除

  • 旧Ⅰ-3-3
     なりすましを生じた場合の認証機関の責任(削除)
  • Ⅰ-8-3
     インターネット・オークション及びフリマサービスにおける売買契約の成立時期(旧Ⅰ-7-3。設問の対象にいわゆるオンラインフリーマーケットサービスを追加)
  • Ⅲ-1-3
     重要事項不提供の効果(設例をパッケージソフトウェアの購入からオンラインでのダウンロード購入に変更)
  • 旧Ⅲ-4-2
     契約終了の担保措置の効力(削除。Ⅲ-12-2に統合)
  • Ⅳ-4
     インターネット上の国境を越えた名誉・信用の毀損、プライバシー侵害(旧Ⅳ-4-1と旧Ⅳ-4-2を統合)
  • Ⅳ-5
     インターネット上の国境を越えた著作権侵害(新規)
  • Ⅳ-8
     国境を越えた取引に関する公法規制の適用範囲(旧Ⅳ-7。設問の対象を製品安全法を中心とする公法規制に変更) 等

 その他、全体にわたって、消費者契約法、景品表示法、著作権法等の関係諸法令の改正や解釈の積み重ねに伴う所要の改訂、構成・表現の見直し、表現ぶりの統一・調整等を行った。

2020年8月13日 (木)

ステマ規制の厳格化(韓国公取委)

 ステルス・マーケティング(ステマ)の問題については、当ブログで何度も取り上げてきておりますが、スポーツソウル日本語版本日付ニュース「多発する有名インフルエンサーの“裏広告”問題…韓国では最大5億ウォンの課徴金に」や、情報サイトもっとコリ8月7日付「SANDBOX、裏広告を謝罪「有料広告表記が欠落、管理不足に責任」」などで、韓国でステマ(裏広告と表現しているようですね)問題が炎上しているとのことです。


 これらの記事によれば、韓国では、9月1日からステマの規制を厳しくした「推薦・保証などに関する表示・広告審査指針」の改正が施行されるとされています。ちょっと検索してみましたが、これのようです(ハングルですので、機械翻訳等でご覧下さい)。

 → 韓国公正取引委員会サイト

 上の記事などを見ると、要するに、経済的な対価を得ているのに、それを明記せずに自分の体験談などとして宣伝行為を行うことは禁止され、そういった不当な広告の刑罰などが重罰化されるようです。

 実は、今回改正されたこの「推薦・保証などに関する表示・広告審査指針」に関しては、今回と同じくステマに関して2011年に改正された時に取り上げたことがあります。

 → ブロガーの商品推奨記事に関する韓国の動き(韓国公取委)」(2011/7/14)

 日本では、この同じ年に、消費者庁が「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」を策定しました。ステマ行為についても触れられているものですが、詳しくは以下をご覧下さい。

 → 「「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の 問題点及び留意事項」の公表(消費者庁)」 (2011/10/28)

 ただ、これ以後、日本では法律やガイドラインなどについて特段の整備はされていません(2012年に上記「留意事項」の改定が少しありましたが)。ブログやSNSなどにおいて、ステマ自体がなくなっているとも思えませんので、実効性のある対策が必要かと思います。

【追記】
 ちょっと、勘違いをして当初以前のブログについて誤った紹介をしてしまいました。修正しましたが、ご了承ください。

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