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2021年7月22日 (木)

「特定なんたら」の話

 オリンピックは、明日の開会式を前にしながらバタバタしていますが、それでもソフトボールやサッカーはゲームが始まりました。いろんな事情はともかく、各国の選手の皆さんは新型コロナの感染と熱中症には気をつけて実力を発揮していただきたい、と思います。


さて、消費者法の中心主力選手である「特定商取引法」(正式名称は「特定商取引に関する法律」)ですが、昭和51年(1976年)にできたベテラン選手でもあります。ただし、できた時には「訪問販売法」(正式名称は「訪問販売等に関する法律」)で、この法律が、平成12年(2000年)の改正で「特定商取引法」という名称に変わったものです。

 当初の「訪問販売法」は、「訪問販売」、「通信販売」、「連鎖販売取引」を対象としていたところ、その後、「電話勧誘販売」、「特定継続的役務取引」が加わり、平成12年改正で、「業務提供誘引販売」が追加されるにあたり、対象取引類型も広範囲となることから、もはや、「訪問販売等」でもあるまいというようなことで、「特定商取引法」と改称されたものです。

 したがって、この時に、「特定商取引」とは、「訪問販売」、「通信販売」、「電話勧誘販売」、「連鎖販売取引」、「特定継続的役務取引」、「業務提供誘引販売」の6つを指すこととなったものです。なお、最近の改正で、これに「訪問購入」が加わって、現在7つになっています。

 ここでは、一般的な用語である「商取引」「特定」を加えて、ある一部の狭い範囲の「商取引」に限定した特別な用語にしているわけです。

 このように、法律上、「特定」を加えて限定する例は、最近よく目立ちます。

 e-Gov 法令検索で「特定」の付く法律名を検索すると、74件出ました。いろんな分野の法律にわたりますが、私の主な観測範囲で絞っても、上記の「特定商取引法」のほかに、「特定商品等の預託等取引契約に関する法律」(預託法)、「特定非営利活動促進法」(NPO法)、「特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律」(特定調停法)、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(プロバイダ責任制限法)、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(迷惑メール防止法)、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(巨大IT規制法)などなどとたくさんあります。

 法律名以外にも、各法律の中で、対象を限定するために「特定」を頭に付ける場合もあります。例えば、上記の「特定商取引法」の中の「特定継続的役務提供」であるとか、「マイナンバー法」の中の「特定個人情報」などです。消費者関連では、集団的な消費者被害を救済する手続を定めた「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」では、この手続の担い手となる消費者団体を、「特定適格消費者団体」という名称にしています。消費者契約法上の「適格消費者団体」をさらに限定する名称として作られた用語ですね。

 そうなると、今後、「特定・・・・・」をさらに限定して法規制などの対象にする必要がある場合、どういう言葉を持ち出すのかな、と思ったりしますね。まさか、「シン・特定・・・・・」というようなことはないでしょうが。

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