« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »

2021年6月の記事

2021年6月29日 (火)

ファイナルファンタジーのガチャの不当表示(消費者庁)

 昨日(6/28)、消費者庁は、株式会社gumi(東京都新宿区)と株式会社スクウェア・エニックス(東京都新宿区)に対して、両社の供給するオンラインゲーム「WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」のガチャの表示に関して、景品表示法違反の不当表示(優良誤認)が認められたとして、措置命令を行っています。

→ 消費者庁公表資料

私は、この手のゲームはしないので、そこらの点は突っ込みませんが、両社とも消費者庁の指摘を認めて謝罪しています。
→ 消費者庁による措置命令に関するお詫び

 ガチャに関する景品表示法違反の問題については、いわゆるコンプガチャの問題があり、以前に書いています。ただ、このコンプガチャ問題は、ガチャ一般の問題ではありませんのでご注意ください。

 → 「「コンプガチャ」景品表示法違反を消費者庁が判断との報」201255)

 → 「すみません。またコンプガチャ関連です。」 2012521)

 また、景品表示法とガチャというと、不当な景品の問題と勘違いする人が多いのですが、景品表示法(正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」です)は、不当な景品と不当な表示の両方を規制する法律で、ガチャが問題になるのは、不当な景品ではなくて、不当な表示です。今回も、優良誤認表示という不当表示にあたるとして措置命令が出されたものです。

 以前書いた祭りくじとかクレーンゲームと同じことです。

 → 「祭りくじと景品表示法」201745)

 なお、景品表示法違反の措置命令が出されたことと、そのガチャに参加した人が損害賠償を請求できるかは一応別問題です。ここらは、長くなるので省略です。請求を考える人は、それなりのコストを支払って専門家にご相談ください(笑)

【追記】(6/30)

 ガチャと表示の関係で、過去にも消費者庁景品表示法違反の不当表示と認定した事案があります。面白いのは、こっちでは、上のFF(優良誤認)とは違い、有利誤認表示での措置命令となっています。なお、この件では、今年になって、アワ・パーム社は、609万円の課徴金納付命令(2021年3月29日)を受けています。

 → 「オンラインゲームの「ガチャ」におけるアイテム出現確率に関する不当表示(消費者庁)」(2018/1/26)

 また、「星のドラゴンクエスト」のガチャに関して損害賠償を求める民事訴訟が提起されましたが、一審では請求が認容されなかったという事案もありました。この判決に対しては原告らが控訴しましたが、控訴審でも棄却となっています(2019/2/21)。

 → 「「星ドラ」ガチャの表示に関する判決」 (2018/9/21)



 

2021年6月 8日 (火)

「悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界」(井出明著 文春新書)

 大阪、関西も、新型コロナ感染者公表数はかなり減ってきました。規制は緩めてほしいですが、どこで緩めるべきか、というのは難しいところですよね。

 さて、知人の金沢大学准教授の井出明先生が、文春新書から新著を出されました。
 「悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界」です。

 井出明先生の新書については、以前、当ブログで、「ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅」(幻冬舎文庫)を紹介させていただいたことがあります。

 → 「「ダークツーリズム」(井出明著)を読んで」 (2018/8/4)

 今回は、同じくダークツーリズムの観点から、世界遺産に焦点を当てて一般読者向けに書かれた本になります。

 構成としては、

第1章 世界遺産の本来の趣旨とダークツーリズム
第2章 アウシュビッツとクラクフから考える
第3章 産業遺産の光と影
第4章 ダークツーリズムで巡る島
第5章 潜伏キリシタン関連遺産を観る眼
第6章 復興のデザイン
第7章 コロナ禍で考える世界遺産
付章  カリブの旅

 というものですが、単に世界遺産として登録された各所それぞれをダークツーリズム的に案内するだけではなくて、「世界遺産」のシステムそのものや日本の観光というものに対して、ダークツーリズム的観点から興味深く、いわば多層的な解説になっていて、いろいろと考えさせるものとなっています。その他、アウシュビッツ、軍艦島、ハンセン病、広島長崎、東日本大震災、流刑などなど新書の限られたスペースに多くの情報を展開されているところは、上記の前著と同様に感心するところです。
 特に、第5章の潜伏(隠れ)キリシタンについては、個人的には今までには思ってみなかった切り口から述べられており、大変面白かったですね。また、第7章の新型コロナ禍の現在から見た観光については、観光関連の自治体、事業者の皆さんには参考になるのではないか、と思いました。

 ダークツーリズムという視点にこだわらず、一般の旅行好きの方にとっても、旅行の楽しみ方を一層深めることのできる内容ですので、お勧めです。

 

2021年6月 4日 (金)

財産分野における消費者安全法の令和2年度運用状況(消費者庁)

 本日(6/4)、消費者庁から「令和2年度における消費者安全法(財産分野)の運用状況について」が公表されました。

→ 消費者庁公表資料


 消費者安全法の財産分野については、マンションの管理組合の「消費者」性の問題に絡めて、当ブログでも何度か書いています。
 例えば、

→ 「マンション管理組合と消費者安全法についてのメモ」 (2020/7/8)

→ 「消費生活センター、マンション管理組合など昨日記事の補足」 (2019/10/6)

などです。

 今回の公表資料は、この消費者安全法の財産分野の昨年の運用状況をまとめたものです。

 消費者「安全」法といっても、身体的被害に結びつくような製品安全や食品安全だけでなく、財産的被害についてもその対象となっています。そこのところの詳細は上に挙げた以前のブログ記事に書いていますので、興味のある方はクリックして読んでみてください。

 令和2年度は、消費者安全法に基づく注意喚起を単独で実施した事案として、化粧品や医薬部外品のアフィリエイト広告に関する事案、偽の通信販売サイトに関する事案、インターネット接続サービスの勧誘に関する事案などについて、15件の注意喚起が行われています。
ました。

 また、特定商取引法に基づく行政処分と併せて注意喚起を実施した事案は19件とかなり多くありました。

2021年6月 1日 (火)

「洗たくマグちゃん」の効果についての左巻健男先生の記事

 約1ヶ月前の4月27日に、「洗たくマグちゃん」の容器包装やwebサイトの表示について、消費者庁景品表示法違反の優良誤認表示であるとして措置命令を出したことに関連して、以下のようなブログ記事を書きました。

→ 「「洗たくマグちゃん」への措置命令に関連して「根拠資料」と「特許」について」(2021/5/2)

 この記事は、私は科学者ではありませんので、「マグちゃん」の効果の有無とは関係なく、景品表示法違反として措置命令が出される場合の「不実証広告制度」で要求される「根拠資料」のことと、「特許」として認められても特許申請内容の効果が本当にあるかどうかは無関係で特許庁のお墨付きではないですよ、ということを、法律家の立場で書いたものです。

 そして、今般、理科教育の大家であられる左巻健男先生がプレジデントオンラインで、この「マグちゃん」の効果について科学的な立場から詳細な記事を書かれました。
 「「実質的にはただの水洗い」洗たくマグちゃんは無意味だと言える"科学的な理由" 「アルカリで洗う」はウソだった」と、なかなか刺激的なタイトルです(リンクは末尾)。




 左巻健男先生は私も何回かお会いしていますが、ニセ科学問題に鋭く切り込んでおられる先生で、理科教育や一般向け科学啓発の本をたくさん書かれておられます。私も何冊か持っています。また、先生が編集出版されている雑誌「リカタン」に拙文を載せていただいたこともあり、それについては、当ブログ「「RikaTan」2018年4月号(ニセ科学特集)に寄稿しました。」(2018/2/24)に書いています。

今回書かれた記事は以下から読むことができます。同じ記事が、Yahoo!ニュースにも転載されていますので、是非ご一読ください。

→ プレジデントオンライン

→ Yahoo!ニュース

 私も家庭では洗濯担当ですが、子供がドロドロに汚したり、油まみれになっているとかではない、普通に生活して着替える程度の衣服の汚れなら、洗剤もほとんど要らないと思っていますので、洗剤メーカーのド派手な宣伝もどうかとは思っておるのですが(※個人の感想です※)。

« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »

最近のトラックバック