フォト

弁護士会関係リンク

無料ブログはココログ

« 消費税総額表示義務について | トップページ | 独占禁止法・下請法関係の書籍2題 »

2021年5月 2日 (日)

「洗たくマグちゃん」への措置命令に関連して「根拠資料」と「特許」について

 4月27日、株式会社宮本製作所(茨城県古河市)が販売する商品「洗たくマグちゃん」「ベビーマグちゃん」「ランドリーマグちゃん」について、その容器包装、webサイトの表示に関し、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)であるとして、消費者庁措置命令を出しました。

→ 消費者庁公表資料


 この商品は、洗剤を使わなくても洗たくができる、という宣伝でかなり人気の商品のようです。結構売れていたとすれば、今後、課徴金納付命令も高額になる可能性があります。(【追記】10月19日、消費者庁は3606万円の課徴金納付命令を出しました。)

 なお、宮本製作所は自社サイトにおいて、

弊社は、令和3年4月27日付、消費者庁より景品表示法第7条第1項の規定に基づく措置命令を受けました。このような事態に至り、お客様をはじめとする関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけすることとなりましたことを、心よりお詫び申し上げます。
今回の措置命令を真摯に受け止め、再発防止に努めてまいりますとともに、対象商品の返品をご希望されるお客様につきましては、以下のとおり返金の対応をさせて頂きます。

として、措置命令内容を認め、消費者に対して返金対応を実施することを表明しています。

 本件の、表示内容としては、例えば、容器包装において、「ご家庭の水道水がアルカリイオンの水素水 に変身!洗剤を使わなくても大丈夫なお洗濯」、「部屋干しのイヤな臭 いをスッキリ解消!」、「菌の抑制」及び「除菌試験により99%以上 の抑制効果が確認されています。」などと、あたかも、この商品を使用して洗濯すれば、 商品の効果により、洗濯用洗剤を使用して洗濯と同程度に洗浄する効果、部屋干し臭の発生を防止する効果及び菌を99%以上除菌する効果が得られるかのように示す表示をしていたところ、消費者庁が、不実証広告制度に基づいて、宮本製作所に対し、期間を定めて、当該表示の根拠資料の提出を求めましたが、同社から提出された資料はいずれも、当該表示の裏付けとな る合理的な根拠を示すものであるとは認められない、とのことで優良誤認表示が認定されたものです(打消し表示に関する認定もされていますが、略)。

 報道などを見る限り(消費者庁は公開してませんので)、同社が裏付けとしている実験資料は、極めて小規模のもので、スタッフなどが行っているようです。不実証広告で求められる「当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料」というのは、それなりの程度が要求されていて、「不当景品類及び不当表示防止法第4条第2項の運用指針-不実証広告規制に関する指針」(平成15年10月28日 公取委・一部改正 平成28年4月1日 消費者庁)で、ガイドラインが示されており、裁判例でもこのガイドラインの内容が妥当である、とされています(オーシロ事件 東京高裁平成22年10月29日)。このガイドラインから見る限り、提出資料が上記のようなものだけであったとすれば、消費者庁が根拠とは認めなかったのも仕方ないかな、と思います。なお、消費者庁が決める提出期限というのは基本的に15日間ですので、広告や表示に見合った根拠資料は事前に用意しておかなければなりません(私は、顧問会社などには注意をしています。)。

 → 消費者庁「不実証広告規制」

 また、SNSなどで、この商品を支持する人たちの投稿を見ると、この商品が洗たく方法などの特許を取得しているのだから、効果があるはずだ、と主張される方も少なくありません。特許が取れているのだから効果があるだろう、というのは、よくある世間の誤解です。その特許の技術が本当に効果があるか、というのは、基本的に、特許庁は審査しません(「永久機関」のように明らかにできない物は別として、要件ではないから)。世の中には、効果のない特許は少なくないのです(もちろん、今回の商品の特許の技術に効果がないということを断ずるものではありません。)。

 本件とは別にいうと、特許を広告材料にして消費者に、良い商品だと思わせるというのは、古くからある広告手法です。私の子供の頃の新聞広告などには、よく「特許出願中」などの言葉を見ましたが、最近はあまり見なくなったような気がします。

 消費者として気をつけないといけないのは、上に書いた、「特許だからといって、本当に効果があるかどうかは別特許庁が保証するものではない)」というのと、「許だからといって、消費者(自分)の役にどう立つのか、考えよう特許であっても消費者の立場からは無関係なものも多い)」というのと、「本当にその特許の技術がその商品に使われているの?」というようなところです。「特許製品」というだけで、すごい!と思い込みがちですが、冷静に考えないといけません。

« 消費税総額表示義務について | トップページ | 独占禁止法・下請法関係の書籍2題 »

ニュース」カテゴリの記事

法律」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 消費税総額表示義務について | トップページ | 独占禁止法・下請法関係の書籍2題 »

最近のトラックバック