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2021年3月14日 (日)

「大崎事件と私 アヤ子と祐美の40年」(鴨志田祐美 LABO刊)

 鴨志田祐美弁護士の書かれた「大崎事件と私 アヤ子と祐美の40年」を発行者のLABOさんからご恵贈いただいたので、早速読みました。大崎事件というのは、1979年に鹿児島県で男性が遺体となって発見され、その身内の数名が殺人、死体遺棄の犯人として逮捕、起訴され、有罪判決を受けて、服役したという事件で、服役した一人で中心人物とされた原口アヤ子さんが、服役後、えん罪であるとして再審の申立を重ねているものです(まだ続いてます。)。この事件の流れについては、本書の冒頭にある「大崎事件の概要」にわかりやすく書かれています。

 刑事裁判の専門家であれば、みな知っている再審事件である大崎事件です。しかし、再審手続とか、えん罪事件とかとなると、かえって、一般の方にはちょっと近寄りがたい印象があるかもしれません。全部で700ページくらいありますし。

 でも、読み始めると単に大崎事件の再審事件の記録というような固い話ではなく、鴨志田弁護士の半生記でもありますし、えん罪の判決がどのように作られ、それを再審手続で覆すことの大変さが平易な言葉で綴られています。

 優秀な厚労省官僚であったときに、虚偽公文書作成などで逮捕起訴され、後に無罪が確定した村木厚子さんが、この本の「推薦の辞」を書いておられ、これはAmazonのサイトで読むことができます。村木さんは、

「およそ700頁という本の分厚さに一瞬たじろいだものの、読み始めると一気に読み終えてしまった。ハラハラ、ドキドキ、そして泣いて、笑って、怒って。読み物としてとにかく面白いのだ。」、「頑なに再審の開始を阻もうとする検察や、再審に対する姿勢が裁判官によってまちまちの裁判所との闘いは、難しいゲームの攻略本のようにも読める。同時に、原口アヤ子と鴨志田祐美の「女の一代記」としても、この二人とともに闘う多くの強く心優しい人たちの人間ドラマとしても読める。」

と書かれていますが、私も全く同感です。

 一度、書店で、本書を手に取られて、最初の数頁の個所、つまり、「はしがき」(一部はAmazonに掲載されてます。)と「大崎事件の概要」を読んでもらうと興味を持たれる人も多いのではないかと思います。それに続く刑事裁判と再審に関する手続用語の基礎知識も一般の人向けにわかりやすく書かれています。はしがきの中で、鴨志田弁護士はこう書いています。

 「弁護士が自ら手がけている事件について書いたものなんて、きっと専門性の高い難解なものだろう、と思われるかもしれません。でも、どうか「食わず嫌い」にならずに読み始めてみてください。ここに書かれているのはすべて実話ですが、「ドラマ」とか「映画」とか「お芝居」と同じように楽しんでいただきたいと思います。」

 この本は、刑事裁判に関わる法律家(弁護士はもちろん、裁判官、検察官を含めてですが)はもちろんのこと、法律、裁判に興味をお持ちの一般の人、特に法律を学んでいる、あるいは、将来学ぼうとする若い人たちに是非読んでいただきたいですね。学生さんには刑事訴訟法の良い勉強にもなりますよ。

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