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2020年9月 1日 (火)

経産省「電子商取引等準則」改訂(債権法改正関係)

 昨日は、情報ネットワーク法学会ネット社会法務研究会にて、「デジタル・プラットフォーム事業者に関する法的問題の現状」というタイトルで、ZOOMを使ってお話しました。大層なタイトルですが、要は、プラットフォーム事業に関するいろんな法律的な動きなどを俯瞰して、ちょっと消費者法視点に寄せての話にしました。お聴きいただいた皆様ありがとうございました。
 元々、小規模なリアルの勉強会で基本的なことを話せばいい、ということで引き受けたところ、当初予定の研究会がコロナで延期となり、結局ZOOM開催ということになったため、大御所の先生方を含め、全国から予想外の人に参加いただき、私には肩の荷が重すぎる状況でしたが、何とか終えることができました。

 さて、この研究会でも少し話題にしましたが、8月28日に、経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂が公表されました。

 → 経産省ニュースリリース

 この「電子商取引及び情報材取引等に関する準則」は、経済産業省が、電子商取引・情報財取引等に係る市場の予見可能性を高める観点から、民法等の解釈を整理して、平成14年から公表し、改訂を重ねているもので、今回は、民法(債権法)の大改正(令和2年4月1日施行)があったため、それを踏まえた改訂が主なものです。
 改訂内容については、以下の通り。

(1)民法(債権法)改正に伴う所要の見直し

  • 意思表示の効力発生時期関係

Ⅰ-1-1 契約の成立時期 等

  • 錯誤関係

Ⅰ-1-2 消費者の操作ミスによる錯誤
Ⅰ-1-3 ワンクリック請求と契約の履行義務
Ⅰ-2-4 価格誤表示と表意者の法的責任(旧Ⅰ-2-2)
Ⅰ-8-2 取引当事者間の法的関係(旧Ⅰ-7-2)
Ⅰ-11-2 AIスピーカーに対して発注者が言い間違いをした場合(旧Ⅰ-10-2) 等

  • 定型約款関係

Ⅰ-2-1-1 利用規約の定型約款としての契約への組入れ(新規)
Ⅰ-2-1-2 定型約款となる利用規約の開示(新規)
Ⅰ-2-1-3 定型約款となる利用規約の契約締結後の変更(新規)
Ⅰ-2-2 事業者間契約と定型約款(新規)
Ⅰ-2-3 定型約款の規定が適用されない利用規約の契約への組入れと契約締結後の規約変更(旧Ⅰ-2-1) 等

  • 売主の担保責任関係

Ⅰ-8-2 取引当事者間の法的関係(旧Ⅰ-7-2)
Ⅰ-8-4 「ノークレーム・ノーリターン」特約の効力(旧Ⅰ-7-4)
Ⅲ-5 ソフトウェアの契約不適合責任

  • 原状回復義務関係

Ⅲ-4 ライセンス契約終了時におけるユーザーが負う義務の内容(旧Ⅲ-4-1)
Ⅲ-12-2 デジタルコンテンツ利用契約終了後のデジタルコンテンツの利用 等

(2)設問の新設、見直し、削除

  • 旧Ⅰ-3-3
     なりすましを生じた場合の認証機関の責任(削除)
  • Ⅰ-8-3
     インターネット・オークション及びフリマサービスにおける売買契約の成立時期(旧Ⅰ-7-3。設問の対象にいわゆるオンラインフリーマーケットサービスを追加)
  • Ⅲ-1-3
     重要事項不提供の効果(設例をパッケージソフトウェアの購入からオンラインでのダウンロード購入に変更)
  • 旧Ⅲ-4-2
     契約終了の担保措置の効力(削除。Ⅲ-12-2に統合)
  • Ⅳ-4
     インターネット上の国境を越えた名誉・信用の毀損、プライバシー侵害(旧Ⅳ-4-1と旧Ⅳ-4-2を統合)
  • Ⅳ-5
     インターネット上の国境を越えた著作権侵害(新規)
  • Ⅳ-8
     国境を越えた取引に関する公法規制の適用範囲(旧Ⅳ-7。設問の対象を製品安全法を中心とする公法規制に変更) 等

 その他、全体にわたって、消費者契約法、景品表示法、著作権法等の関係諸法令の改正や解釈の積み重ねに伴う所要の改訂、構成・表現の見直し、表現ぶりの統一・調整等を行った。

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