「花粉を水に変えるマスク」DR.C社に課徴金納付命令(景表法)
最近の新型コロナウイルス感染問題でのマスク騒動で、すっかり忘れられていたかもしれませんが、昨年7月に消費者庁から不当表示(優良誤認)として景品表示法に基づいて措置命令が出されていた「花粉を水に変えるマスク」について、このマスクを宣伝・販売していたDR.C医薬株式会社に対して、一昨日(6/19)、消費者庁が課徴金納付命令を出し、857万円の課徴金の支払いを命じました。
→ 消費者庁公表資料
昨年の措置命令は、DR.C社を含む計4社のマスクの表示について出されたものですが、詳しくは、その当時に書いた次のブログ記事やそのリンク先をご覧下さい。
→ 「「花粉を水に変える」など光触媒マスクに対する措置命令(景表法)」 (2019/7/4)
景品表示法の課徴金は、対象期間の各商品の売上高に3%をかけた金額になりますので、857万円の課徴金ということは、計算すると、対象期間である平成30年1月1日から令和元年10月12日までの約1年9ヶ月間の売上高は約2億8600万円になるのではないかと思います(計算違いがあればお教え下さい。)。著名な人気歌舞伎役者を使ったあれだけの規模の宣伝広告をしていた割には少ないような気がしました(マスク市場の規模については、全くの素人なんで、単なる個人の感想です。)。
なお、昨年の措置命令が出された4社のうち、大正製薬については、消費者庁に対して、この措置命令が不当だとして、現在係争中(審査請求)です。大正製薬は、DR.C社の宣伝とは異なり、「花粉を水に変える」とは表現していませんので、ご注意ください(各社の表示の概要は上記の昨年のブログに書いています。)。
他の2社について、今回、課徴金納付命令が出されなかった理由は公表されていませんが、課徴金は、計算した結果150万円未満となった場合には課せられませんので、売上が低かったのかもしれません。
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