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2020年6月27日 (土)

次亜塩素酸水の新型コロナへの有効性についての関係省庁の公表

 新型コロナウイルス(以下、コロナと略します)に関して、これまであまり一般には聞きなれない「次亜塩素酸水」の有効性が話題になっていました。単なる拭き掃除とか、手指消毒だけでなく、空間噴霧とかの話まで出ていて、学校や飲食店などでの噴霧の是非も問題になりました。
 この問題はちゃんと分けて考えないといけないので(次亜塩素酸水に限りませんが)、整理する必要があります。
 次亜塩素酸水が、コロナの不活性化に有効なのか、仮に有効として、どういう濃度で、どういう使い方をすれば有効なのか。さらに、そもそも、「次亜塩素酸水」として販売されている商品にそれだけの濃度があるのか、また、これはかなり不安定な物質なのだが、保存状態はどうなのか。使い方として、手指消毒とか、空間噴霧は有効なのか、また、安全なのか。どうも、次亜塩素酸水として提供されている「水」には、そのあたりの表示がされていないことも多いようです。
 というところなので、単純に議論してもしゃあないかな、と科学素人の私でも思うわけです。
 その他に、次亜塩素酸水次亜塩素酸ナトリウムの違いという問題もありますが、ここでは省いて、あくまでも、次亜塩素酸水に絞ります。

 で、昨日(6/26)の経済産業省、厚生労働省、消費者庁および製品評価技術基盤機構(NITE)の公表について書こうと思いますが、全部きっちり書くと長くなるので、ひとまず、結論を書きます。

  1. 次亜塩素酸水で、ドアノブなどの物を拭く場合に一定の濃度以上のものであれば、有効ではある、ただし、あらかじめ、汚れをきれいに落としてから(そうでないと、次亜塩素酸水が有機物に反応して分解してしまう)、かなりヒタヒタ状態とか流水状態で使用する必要がある。
  2. NITEは、手指消毒や空間噴霧についての安全性の検証は行っていないし、効果についても何も言ってない。
  3. NITEの公表を踏まえた、経済産業省、厚生労働省、消費者庁の本日の公表では、空間噴霧について推奨しないことを明言している。

 ということで、本日の政府の発表内容(当然、皆さんですり合わせた結果と思われます)では、次亜塩素酸水の手指消毒とか空間噴霧については、お勧めしませんということが公式発表になります。Twitterなどを見ると、業界ヨイッショ!のアカウントでは、次亜塩素酸水の有効性が認められた、みたいなことを書いておられますが、上記のような政府の公表をちゃんとみれば、少なくとも、空間噴霧や手指消毒については、そうではないことは明らか過ぎる話になります。一部のマスコミの見出しが「有効性を認める」みたいになっていることをいいことに書いておられるのですが、困ったものですね。

 なお、物を洗浄する場合も、上の通りなんで、わざわざ次亜塩素酸水をジャブジャブと使わなくても、どうせ、あらかじめ汚れをきっちりと除かないといけないのならば、家庭用洗剤、食器洗剤などで、対象物をきっちりと拭き取ることをすれば、次亜塩素酸水が登場するまでもなく、OKということになるかと思います。

 もちろん、次亜塩素酸水については、これまで有効な使用法がされていたわけで、次亜塩素酸水が駄目というわけではありませんが、コロナ対策として、一般の家庭や学校が空間噴霧などで使うものではないと思います。

 なお、化学工業事業者の業界新聞と思える化学工業日報の社説(6月24日)【社説】「「次亜塩素酸水の効果」報道の危うさ」を見つけました。当然ながら業界に向けたメディアですが、ここでも、次亜塩素酸水についての一般的な擁護はされておりますが、ここでさえも、空間噴霧については否定しておられます。

消費者庁「消毒や除菌効果をうたう商品は、目的に合ったものを、正しく選びましょう。」

厚生労働省Q&A

 関係事業者の方々を含めて、真摯な反論であれば、勉強させていただきますので、よろしくお願いします。

 

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