« 2019年10月 | トップページ

2019年11月の記事

2019年11月29日 (金)

パイプテクター問題「田村淳の訊きたい放題!」で生討論

 例のパイプテクター問題について、先日、メーカーの日本システム企画の熊野社長が出演して、討論する生放送番組がありました。

 東京メトロポリタンTV(MX)の「田村淳の訊きたい放題!」の11月23日放送分(再放送11月26日)です。

 パイプテクターを取り付けた水道管に赤さびを黒さびに変えるという効果などはない、とする小波秀雄京都女子大名誉教授と天羽優子山形大准教授が主張するのに対して、熊野社長がどう応戦するのかが楽しみでしたが、なぜか社長の隣にはもっともらしい名前の団体の肩書(一般社団法人持続可能事業支援機構・専務理事)をつけた本間という人が座っていますけど、この人は、古くからのパイプテクターの販売代理店(株式会社エヌ・エフ・ジー)の社長ですよね(苦笑)

 熊野社長はなぜ出演をOKしたのか、と思う内容でしたが、いくつか、客観的なポイントを指摘しておきます。

  1. パイプテクターが赤さびを黒さびに変える理論的な根拠はわからない、と熊野社長自身が言い切った。
  2. 理論が分からなくても効果があるということはある、万有引力の発見される前からりんごは落ちる、との熊野社長の明快な解説。
  3. 理論はわからないといいながら、学会での発表とか、推薦状とかを持ち出す。
  4. 小波教授が持ってきたパイプテクターが本物か偽物かはわからない、本物だとすれば、だれかが盗んだものとどうでもいいことを言う。
  5. そのパイプテクターを分解すれば、安い磁石しか入ってなくて、特許に書かれているような構造ではないことを小波教授が指摘。
  6. それを見ても、本物か偽物かわからない、以前、中国などがそっくり商品を作っていた、と熊野社長と本間氏。(社長や長年の販売代理店の人が見てもわからないなら、本物だろうが偽物だろうが、本物とそっくりな構造であることを認めたものであり、中身が磁石だけ、ということを認めていることになる、と私は思う。)
  7. 小波教授らからの質問に対して、正面から全く答えず、司会の田村淳から、「Q&Aなんだから、QにはAで答えてください、AではなくBで答えているから、議論にならない。」と何度か突っ込まれる。
  8. 出演者の憲法学者木村草太先生が、この装置ではエントロピーが減少していくのか、と熊野社長に質問する。これは、日本システム企画が、パイプテクターに設置してある「黒体放射焼結体」の内部のエントロピーがじわじわと低下する時に電磁波を出す、と主張していることを踏まえてのものである(もっとも上記の5,6によれば、そもそも黒体放射焼結体は設置されていないはず)。これに熊野社長はまともに答えられず、本間氏がエントロピーが減少する、と説明する。木村先生が念を押すが、途中で、エントロピーではなく酸化還元、などと意味不明の言いかえを行う。 なお、エントロピー減少について熊野社長が語っていることは、論座「「バッキンガム宮殿採用」装置にダメ出し続々 ネット注目の#謎水装置 開発者を直撃」にも紹介されている。上記1の通り、この番組では理論的な根拠はわからないと明言しているので、ここでも矛盾がある。
  9. 長期間の効果をうたいながら、1年間しか返金保証しないのはおかしいとの天羽准教授の指摘に対しても明確な回答はなし。一方で、1年では効果ははっきりしないが、10年経過するとはっきりした効果が出ていると主張。では、10年での返金保証はしないのか、という指摘には答えず。

 ここまで来れば、評価ははっきりしているようにも思いますけれども、公平を期さないといけませんので、熊野社長からの反論をお待ちしています。

2019年11月12日 (火)

「判例から学ぶ消費者法〔第3版〕」(民事法研究会)が発行されました。

 「判例から学ぶ消費者法」の第3版(島川勝・坂東俊矢編)が発行されました。

民事法研究会サイト

 この本の初版から、「情報化社会と消費者」の章を書いており、今回も引き続き担当しています(第19章)。

 担当部分の裁判例2つの中身についてはあまり変わっていませんが、冒頭の「問題の所在」については、第2版(平成25年発行)以降の情報化社会の進展も激しく、それにまつわる事象の変化もありますので、アップデートのために加筆修正を行っています。

 私の担当個所以外でも、集団的被害回復制度の導入消費者契約法や民法(債権法)の改正など大きな動きがあり、それらをカバーする改訂内容となっています。

 本書の内容について、出版社サイトから以下に引用いたします。ご興味のある方は是非ご一読いただければと思います。


本書の特色と狙い

 約款、集団的消費者被害回復制度について新たに章を設け、民法(債権関係)、消費者契約法、特定商取引法、割賦販売法等の改正、消費者裁判手続特例法の立法から最新の重要判例も織り込んで約6年ぶりに改訂!

 訪問販売、クレジット取引、多重債務、金融商品取引、欠陥住宅、ネットオークションなど、消費者問題の各分野について重要な裁判例をもとに、消費者問題の理論と実務を解説!

 各分野の概説とともに、判決の概要・争点・判旨を紹介したうえで、判決の意義や社会に与えた影響などをわかりやすく示す!

 消費者法を学ぶ学生はもとより、消費者相談にあたる消費生活センター関係者、消費者事件を担当している弁護士・司法書士等の実務家にも必携となる1冊!

本書の主要内容

第1章 消費者問題総論

第2章 民法と消費者法

第3章 消費者契約法(1)─不当勧誘規制

第4章 消費者契約法(2)─不当条項規制

第5章 消費者団体訴訟制度

第6章 集団的消費者被害回復制度

第7章 約款と民法、消費者法

第8章 特定商取引法(1)─訪問販売、クーリング・オフ

第9章 特定商取引法(2)─継続的役務

第10章 特定商取引法(3)─マルチ商法とネズミ講

第11章 割賦販売法(1)─平成20年改正法とクレジット取引

第12章 割賦販売法(2)─クレジットカードの不正使用

第13章 多重債務と消費者

第14章 金融商品取引と消費者

第15章 保険と消費者

第16章 製造物責任と消費者

第17章 欠陥住宅と消費者

第18章 独占禁止法・景品表示法と消費者

第19章 情報化社会と消費者

第20章 宗教被害と消費者

第21章 医療サービスと消費者

« 2019年10月 | トップページ

最近のトラックバック