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2019年10月31日 (木)

デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査(公取委)

 本日、公正取引委員会「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査(オンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引)」を公表しました。

 これは、公正取引委員会、経済産業省、総務省が立ち上げた「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」中間論点整理(平成30年12月12日)を踏まえて策定された「プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則」(平成30年12月18日)に基づいて、特に問題点の指摘が多いオンラインモール及びアプリストアにおける取引にかかる独占禁止法・競争政策上問題となるおそれのある取引慣行等の有無を明らかにするために実施されたものです。

 調査の対象は、オンラインモール運営事業者又はアプリストア運営事業者がオンラインモール又はアプリストアを利用して出品する事業者(利用事業者)との間で行う取引です。これに関して、公正取引委員会サイトに設置された情報提供窓口に寄せられた情報(計914件)と、利用事業者や消費者に対するアンケート調査の結果、および、運営事業者8名、利用事業者85名からのヒアリングを行うことにより実態調査が行われました。

 → 公正取引委員会報道発表資料
  (報告書本体および報告書概要のPDFへのリンクがあります。)

 報告書本体は99頁あり、まだちゃんと目を通していませんが、報告書概要のほうは16頁にまとめてあります。


 独占禁止法の基本がわかる人なら、概要を読むだけでも、デジタルプラットフォームに関する現在の競争政策上の問題点が整理されているので、良い資料ではないかと思います。

 特に取引に関するデータの問題について、ネット上では、本来、個人情報保護法の問題であり、公正取引委員会ではなく、個人情報保護委員会の所管ではないか、などといった意見もよく見るのですが、もちろん、個人情報保護法の問題も重なる部分があるのは当然ですが、競争政策上の観点からの規制は個人情報保護委員会の仕事ではありませんし、問題となるデータも、個人情報保護法が対象とする「個人情報」に限りませんので(例えば、BtoBの取引情報は個人情報ではありません。)、報告書に示された個々の考え方の当否は別に検討すべきは当然として、ここで公正取引委員会がこの問題を取り上げていること自体は全く不思議ではないですね。

 参考までに報告書本体の目次構成を以下に示しておきます。

第1部 デジタル市場と競争政策
 第1 経済のデジタル化とデジタル・プラットフォームの浸透
 第2 デジタル・プラットフォームの特徴
  1 両面市場とネットワーク効果
  2 低い限界費用と規模の経済性
  3 デジタル・プラットフォームがもたらす便益
  4 集中化・スイッチングコスト・ロックイン
 第3 デジタル・プラットフォームに関する懸念とその対応
  1 競争政策上の懸念
  2 公正取引委員会の対応
 第4 デジタル・プラットフォームの競争環境の整備
  1 取引条件等の透明化
  2 データの移転・開放

第2部 オンラインモール・アプリストアに係る実態調査
 第1 調査趣旨等
  1 調査対象
  2 調査方法
 第2 市場の概要
  1 オンラインモール市場の概要
  2 アプリストア市場の概要
 第3 運営事業者の取引上の地位
  1 市場における有力な地位
  2 独占・寡占的な地位
  3 優越的地位
  4 運営事業者の取引上の地位に係る利用事業者の認識
 第4 取引実態と評価
  1 取引先に不利益を与え得る行為
  2 競合事業者を排除し得る行為
  3 取引先の事業活動を制限し得る行為
  4 公正性・透明性に欠けるおそれのある行為

第3部 結語
 第1 本実態調査の要点
  1 独占禁止法上の考え方
  2 競争政策上の考え方
 第2 今後の取組

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