「経済法入門」(泉水文雄著・有斐閣)
ブログの更新ができないまま、12月も後半になってきました。
最近は、AI技術と法律・責任などという研究イベントが続いており、大変刺激を受けています。
さて、お世話になっている神戸大学の泉水文雄教授から、新著をご恵贈いただきました。ありがとうございます。
有斐閣の法学教室LIBRARY「経済法入門」です。
書名の通り、学生など入門者向けに書かれていますが、独占禁止法だけでなく、下請法、景品表示法を含めた最新の経済法の情報がコンパクトにまとめられていますので、初学者でなくても有用な本だと思います。
特徴といえば、100を超える多くの説例を用いて具体的に解説されており、イメージのつかみにくい独占禁止法の理解がしやすいものになっています。また、途中にコラム記事もたくさん挿入されていますが、コラムといいながら、かなり高レベルの内容に触れられています。
泉水教授は、芸能人やプロスポーツ選手などと独占禁止法ということで話題になった公正取引委員会「人材と競争政策検討会」の座長を務められておられましたが、今年7月に設置された「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」(経済産業省、総務省、公正取引委員会)の座長も務められており、同検討会の中間論点整理が、この12月12日に公表されたばかりです。いわゆるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)を代表とするインターネット上のプラットフォーム事業者に関する独占禁止法その他の問題を検討するという最先端の議論がなされていますので、興味のある方はご覧ください。
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