都道府県の措置命令に関して初の課徴金(景表法)
本日、消費者庁は、2件の課徴金納付命令を出しました。
いずれも既に不当表示に対する措置命令が出されている事案ですが、1件は東京都が出した措置命令に係る事案です。課徴金の金額は、全部で8480万円と高額になっています。
平成26年12月から都道府県による措置命令ができるようになりましたが(それ以前は「指示」)、その場合でも課徴金納付命令は消費者庁が行うことになっています。都道府県による措置命令の事案で課徴金納付命令が出されたのは初めてではないかと思います。都道府県による措置命令の案件は、売上高が少ないものも多いかと思いますので、課徴金の適用要件に満たないのも多いかもしれません。
なお、東京都が景品表示法違反で措置命令を行ったのは、この事案が最初のものです(まだ、これ1件ですが)。
→ 消費者庁報道発表資料 (PDF)
この東京都による措置命令(平成30年3月26日)は、株式会社ギミックパターン(東京都渋谷区)に対するもので、同社が自社webサイト上で、ストッキングやブラジャーなどを着用するだけで、容易に「脚が細くなる」、「豊胸」、「痩身」などの効果が得られるかのように表示していた、というものです。この表示につき、東京都は同社に対して、合理的な根拠を示す資料の提出を求めましたが、同社は、期間内に資料を提出しませんでした(不実証広告により優良誤認表示とみなされます)。また、この件では、実際には存在しない「通常価格」を表示して、あたかも、実際の商品販売価格が「通常価格」よりも安いかのように表示していました(有利誤認表示)。
→ 東京都報道発表
※画像は消費者庁発表資料より
もう1件の課徴金納付命令は、株式会社SAKLIKIT(大阪市中央区)に対して、消費者庁により措置命令(平成29年12月14日)が出されていたものです。
不当表示の内容としては、上記のギミックパターンの件と似ていて、レギンスを履くだけで痩せるという表示をしていたものですが、これについては、当ブログでも以前ご紹介していますので、こちらをご覧ください。
こちらの課徴金は、255万円です。
→ 消費者庁報道発表資料 (PDF)
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