広瀬香美の独立と芸名使用継続について
歌手の広瀬香美さんの事務所独立と芸名の使用禁止のニュースが話題になっているようです。
この問題について、の芸名禁止契約条項について、この週末、いくつかの記事の中の弁護士コメントも見ましたが、間違っているとは言わないまでも、ちょっと粗っぽいな、と感じました(元コメントの問題ではなく、記者の側のまとめ方の問題かもしれませんが)。
それと、今回の禁止条項はかなり古いものであり、効力がない、という解釈について、わざわざ独占禁止法を持ってこなくても、という感じもします(ただし、実際の具体的な条項の内容や経緯などはニュースの範囲内でしかわかりませんので、それを前提として)。また一方で、独占禁止法の「不公正な取引方法」に違反する契約条項が、民事法上、当然に無効になるかといえば、そうではありません。
これについては、既に壇俊光弁護士がブログに書かれているので、ほぼ同意見、ということで省略します(手抜き)。
ここでも取り上げられている公正取引委員会のCPRC「人材と競争政策に関する検討会」報告書については、当ブログで何度も取り上げましたので、詳細を知りたい方はこちらをご参照ください。
→ 「芸能プロダクションと芸能人との契約について公取委が調査との報道」
(2017/7/8)
→ 芸能プロ契約問題と「人材と競争政策に関する検討会」(公取委)
(2017/7/13)
→ 第5回「人材と競争政策に関する検討会」にて報告書案を討議
(2018/1/11)
→ 芸能界の契約実態についてのヒアリング・アンケート結果(公取委)
(2018/2/20)
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