アフィリエイトサイトの表示にも言及した措置命令(不当表示)
昨日(6/15)、消費者庁は、株式会社ブレインハーツ(大阪市北区)に対し、同社が販売する食品「グリーンシェイパー」、「アストロン α」、「スリムイヴ」、石けん「恋白美スキンソープ」、下着「Smart Leg」の表示について、それぞれ、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認及び有利誤認)に該当するとして、措置命令及び課徴金納付命令を行っています。
命じられた課徴金の金額は合計2229万円となっています。
→ 消費者庁公表資料
優良誤認については、自社webサイトなどに、摂取するだけで、短期間で容易に著しい痩身効果が得られ、かつ、痩身後の体重を維持することができるかのように示す表示(食品)や、使用するだけで、短期間で容易に、シミ、しわ及びたるみを解消又は軽減するとともに肌本来の色を白くすることができるかのように示す表示(石けん)や、着用するだけで、短期間で容易に著しい下半身の痩身効果が得られるとともに、下半身の余分な脂肪が胸部に移行することによる豊胸効果が得られるかのように示す表示(下着)をしていた、というものです。
しかし、これらの効果の根拠資料を提出するよう消費者庁から求められたにもかかわらず、ブレインハーツは根拠の提出をしなかったものです(不実証広告・景品表示法7条2項)。消費者庁が公表している表示の実物(別紙1~5)を見ると、かなりひどい表示ですね。
※画像は消費者庁公表資料より
有利誤認については、表示された「通常価格」、「メーカー希望小売価格」などより、販売価格が安いという二重価格表示を行っていましたが、実際には、「通常価格」、「メーカー希望小売価格」などは販売された実績や設定されていた事実はなかった、というものです。
本件では、多額の課徴金の支払が命じられたことも注目ですが(それだけ売れていたということですね。)、不当表示の対象となった表示に、自社webサイトでの表示だけではなく、アフィリエイトサイト上に現れる表示も含めている点ですね。これらの表示についても、ブレインハーツが表示行為に関与したものですので、当たり前といえば当たり前なんですが、このような表示を含めた命令は、私の記憶では初めてではないかと思います(間違ってたらご指摘ください。)。
【追記】(6/23)
命令を読むと、アフィリエイトでの表示があったことを認定してはいますが、今回の不当表示の直接の対象にはしていませんね。失礼しました。タイトルも変更しました。
これに関連して、本件の措置命令の命令内容(判決で言えば、主文に当たる部分ですね。)では、「貴社は、貴社が一般消費者に販売する本件商品に係る表示に関して、次に掲げる事項を速やかに一般消費者に周知徹底しなければならない。この周知徹底の方法については、後記2(3)のアフィリエイトサイトからハイパーリンクにより「roifleur」と称する自社ウェブサイトに遷移する動線を含めることとし、」とされているのも目に付きますね。
これは、景品表示法に違反した不当表示があったことを消費者に周知徹底せよ、という内容のところです。「遷移する動線を含める」方法というのは具体的にどこまで求められるのかは、これだけでは必ずしもよく判りませんが。
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