USJとポケモンGO
先日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に行ってきました。USJは、開場した後、2回くらい行きましたが、子どもも大きくなり、ずっと行ってませんでしたが、今回は研究会のイベントです。
毎年恒例の電子商取引問題研究会と九州IT研究会の合宿(私は宿泊はせず、懇親会まででしたが)で、USJ社の方から法務、主にライセンス関連のお話を聞くというものです。
USJはディズニーランドと違って、ユニバーサルスタジオ自身のキャラクター以外もたくさんあり(ハローキティやら、ハリーポッターやら)、それぞれいろいろとライセンス契約を行わないといけないので、そのあたりのお話とかをお聞きして面白かったです。お話を聞いた立派な会議室を含めて裏方の施設はこんなところにあるのか、という場所でしたが、内緒です(笑)
そのお話の後、せっかくの機会なので、懇親会の時間までUSJをゆっくり回っていなさい、という企画者の暖かい配慮のもと、私は単独で数時間ウロウロと久し振りにUSJを徘徊してました。倹約のため、アトラクションには一切入らず。
当初あった「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がなくなっていたのと、最近人気のハリーポッターのエリアができていたのが、昔のとの大きな違いでしたね。
キャラクターのライセンスのお話を聞いた後だったので、思い立って、ポケモンGOをやってみたところ、たくさんのモンスターが現れました。結構レアなのが出たりとか、真ん中の池のあたりではコイキングが大漁だったり。ジムも何本か立ってて、そのうちの「ジュラシック・パーク・ゲート」というジムを奪取しときました。
さて、ここから本題です。当ブログでも書きましたが、昨年の情報ネットワーク法学会(明大・中野)で、「位置情報とソーシャルゲーム」という分科会でちょこっと登壇しました。
→ 「位置情報とソーシャルゲームの法律問題」 (2016/11/17)
そこでは、勝手に自分の敷地の中や家の前に、ジムやポケストップが立てられているような場合に排除したりできるのか、などといった問題も出ていました。
上のUSJの状況を見ると、ライセンス的な問題もありそうです。ハリーポッターなどのエリアには、USJ社としても他のキャラクターを置くことは許されていないと想像されますが、スマホ上では、ポケモンたちがたくさん出てきます。これは、キャラクターライセンス契約上問題とならないのか、USJ社としては排除できるのか、など。
また、上に書いたように、ジムの名前として「ジュラシック・パーク・ゲート」などと表示されており、これは、ジュラシック・パークは商標登録されていると思いますが、商標権侵害や不正競争防止法上の問題は生じないのか、というようなことも考えられますね。
その後の懇親会で聞いたところでは、ポケモンGOが開始されるときに、立入禁止場所への立入の危険性などについて検討はしたようですが、実際にはそれほどの問題はなかったので特段の規制はしなかったようなお話でした(吞みながらの話ですので、正確ではないかもしれません。)。
ポケモンGO騒動も落ち着いたようですし、あまり肩肘張った対応も夢のないことになるので、現状はよろしいかと私も思います。しかし、ポケモンGOに限らず、こういうVR、ARを利用したゲームやビジネスが発達した場合には問題が発生する可能性はあるよなぁ、と思います。あのライセンスの権利にうるさい「鼠の國」は、ポケモンGOには何か対応したのでしょうか。
特に結論もオチもないのですが、そんなことを思ったUSJ徘徊でした。
【追記】(4/22)
本文を投稿してから、検索してみたら、ディズニーランドも、ポケモンGOのレアスポットとして紹介されていますね。確かに、長時間の行列の間の暇つぶしにはなるから、ランド側もメリットあるかもしれませんね。
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