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2016年12月15日 (木)

水素水商品に関する報告書(国民生活センター)

 本日、国民生活センターから、報告書「容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」-「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です-」が公表されています。
 → 広 報 資 料
 → 報告書全文(PDF)

  国民生活センターが、飲用水として販売されている水素水10銘柄と、飲用の水素水を作るという水素水生成器9銘柄の計19銘柄について、表示・広告、溶存水素濃度を調べ、事業者へのアンケート調査の結果も取りまとめて、公表したものです。
 水素水の表示の問題については、当ブログでも取り上げています。興味のある方は、こちらもご覧下さい。
 → 「マルチ大手業者に対する業務停止命令(特定商取引法)と「水素水」の効能表示」(2016.3.12)

 報告書の内容については上記リンク先を見ていただきたいですが、溶存水素濃度のテスト結果として、

「開封時の溶存水素濃度を測定したところ、容器入りのパッケージの溶存水素濃度表示に、充填時や出荷時と記載のあった5銘柄のうち3銘柄で、表示値より測定値の方が低い濃度でした。また、パッケージに表示のない3銘柄のうち、ペットボトルの2銘柄では溶存水素(水素ガス)は検出されませんでした。 」

「開封時に溶存水素が検出された容器入り8銘柄を、未開封のまま20℃で1カ月間保管したところ、全ての銘柄で溶存水素濃度がやや低下していました。」 

「開封時に溶存水素が検出された容器入り8銘柄を、開封後に蓋(ふた)を閉めて放置した場合には、溶存水素濃度が5時間後には30~60%程度に、24時間後には10%程度に低下しました。」

「生成器の取扱説明書等には、水質等により値が変わる旨の記載もありましたが、取扱説明書等に溶存水素濃度の表示のあった銘柄で、表示値よりも測定値の方が低くなったものがありました。」   

「生成器で作った水をコップに移し替えると、1時間後に溶存水素濃度が約50~60%に低下しました。」

とのことです。 

 また、 効能効果等に関する表示・広告については、

「販売元等のホームページや直販サイトには、容器入りは10銘柄中8銘柄で、生成器は9銘柄中7銘柄で、水素や水素水に期待されている効能効果に関する記載がありました。中には、「様々な病気の原因といわれる悪玉活性酸素を無害化する」など健康保持増進効果等と受け取れる記載があり、医薬品医療機器等法や健康増進法や景品表示法に抵触するおそれがありました。」 

「販売元のホームページや直販サイトには、商品について、容器入りの3銘柄、生成器の2銘柄で、「アトピーに 痒(かゆ)い部分に水素水をつけて下さい」など健康保持増進効果等と受け取れる記載があり、医薬品医療機器等法や健康増進法や景品表示法に抵触するおそれがありました。また、1銘柄の商品のパッケージにも、同様の記載がありました。」

とされています。 

 事業者に対するアンケート調査もされているのですが、「飲用により期待できる効果を尋ねたところ、15社(3社は無回答)では、「水分補給」が最も多い回答でした。」というのが面白かったですね。

 報告書の最後には、消費者へのアドバイス、事業者への要望と並んで、行政への要望が書かれており、消費者庁表示対策課厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課に対して、 

「販売元等のホームページや直販サイトには、容器入り水素水の10銘柄中5銘柄で、水素水生成器の9銘柄中7銘柄で、「様々な病気の原因といわれる悪玉活性酸素を無害化する」、「アトピーに痒い部分に水素水をつけて下さい。」など健康保持増進効果等があると受け取れる記載がありました。また、水素水生成器の1銘柄の商品のパッケージにも、同様の記載がありました。これらは、医薬品 医療機器等法や健康増進法、景品表示法に抵触するおそれがありますので、事業者に対し、表示の改善を指導するよう要望します。」

とされており、今後消費者庁および厚生労働省が何らかの指導や行政処分を行う可能性がありますね。注目したいと思います。

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水素水を飲むと、腎臓病や腎不全の人は病状が悪化する。

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