神戸牛のおとり広告に対する措置命令(消費者庁)
本日、消費者庁は、イズミヤ株式会社(大阪市西成区)及び株式会社牛肉商但馬屋(姫路市)に対し、景品表示法に基づく措置命令を行っています。
両社の神戸牛に係る表示について、新聞折り込みチラシに「土 13日限り」、「和牛専門店 但馬屋」、「八尾店・広陵店は『兵庫産神戸牛・佐賀産和牛』」、「神戸玉津店は『兵庫産神戸牛・神戸ワインビーフ』」、「今ついている本体価格よりレジにて3割引」と記載したり、Webサイトに同様の表示をするなどして、あたかも、対象商品を当該日に販売するかのように表示していました。
しかし、実際には各店で、販売するための神戸牛の仕入れは行っておらず、対象商品の全部について取引に応じることができないものだった、というものです。
景品表示法で規制される不当表示行為は、優良誤認表示(5条1号)、有利誤認表示(5条2号)の他に、「商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの」(5条3号)というのがあって、これに基づいて「おとり広告に関する表示」(平成5年公正取引委員会告示第17号)が出されています。
この告示では、事業者が顧客誘引の手段として「取引の申出に係る商品又は役務について、取引を行うための準備がなされていない場合その他実際には取引に応じることができない場合のその商品又は役務についての表示」を行うことが不当表示行為とされており、本件では、これに該当するとされたものです。
おとり広告に対する措置命令は、そんなに多くはありませんが、最近のものでは中古車販売業者が、中古車情報誌において、情報掲載日より前に売れた中古車8台の情報を掲載していたことについて、措置命令が出されています(平成27年5月1日措置命令)。
なお、この景品表示法5条3号に基づく指定告示としては、現在、
①無果汁の清涼飲料水等についての表示
②商品の原産国に関する不当な表示
③消費者信用の融資費用に関する不当な表示
④不動産のおとり広告に関する表示
⑤おとり広告に関する表示
⑥有料老人ホームに関する不当な表示
の6つが出されています。
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