「ソーシャルメディア論 つながりを再設計する」(藤代裕之編著・青弓社)
あけましておめでとうございます。
本年も変わりませず、よろしくお願いします。
さて、今年最初は、本の紹介からです。
「ソーシャルメディア論: つながりを再設計する」(藤代裕之編著・青弓社)
情報ネットワーク法学会の研究会の成果をベースにして12名の共著で出版されたものです。
実は、昨年11月には購入していて、共著者のうち、11月下旬の北九州市での情報ネット法学会研究大会に参加されていた4名の方にはサインもいただいていたのですが、読むのがすっかり遅くなり、この年末年始に読んでいました。
現在、Twitterやfacebookに代表されるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の今日に至るまでの歴史、技術、法を総括する第1部「歴史を知る」、その現状を、「ニュースメディア」「広告」「政治」「キャンペーン」「都市」「権利」「モノ」という7章で確認していく第2部「現在を知る」、そして、第3部「未来を考える」では、「メディア」「共同規制」「システム」「教育」「人」という視点で今後を考察、提言しています。
スマフォの急速な普及もあり、SNSはいろいろな場面でのコミュニケーションツールとなっており、その利便性とともに、さまざまな問題が生じています。しかし、個別の問題点をそれぞれに論じるものはあっても、その全体像をわかりやすく、歴史的な位置を含めて確認し検討する文献はあまりなかったのではないかと思います。
この本では、いろいろな視点から、それぞれの著者によって書かれていますが、例えば、私の興味対象である「広告・表示」という分野からみても、第1部はもちろん、第2部のほとんどのところは相互に関係してきますし、第3部も同様です。
「誹謗中傷」とか「表現の自由」とか「政治」というような他の分野を考えるうえでも、同様にそれぞれ関係することと思います。その意味で現在のインターネット社会での諸問題を考察するうえで大変参考になる本ではないかと思います。
« 「消費者情報」新年号(関西消費者協会)はマイナンバー・個人情報保護法特集 | トップページ | マイナンバー制度の違憲差止訴訟 »
「パソコン・インターネット」カテゴリの記事
- 「食べログ」東京地裁判決と公取委実態調査報告書(2022.06.16)
- スシロー「おとり広告」で措置命令(景表法)(2022.06.09)
- 「ピークパフォーマンス」(野上麻理著)のご紹介(2022.02.27)
- 「弁護士法72条違反で」とは(2021.10.18)
- メルカリなどフリマへの出品と違法行為(2021.10.13)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「ピークパフォーマンス」(野上麻理著)のご紹介(2022.02.27)
- 「判例による離婚原因の実務」中里和伸著(LABO)」(2022.01.08)
- 「消費者法ニュース」7月号・消費者法白書(2021.08.02)
- 「悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界」(井出明著 文春新書)(2021.06.08)
- 独占禁止法・下請法関係の書籍2題(2021.05.31)
「法律」カテゴリの記事
- 「食べログ」東京地裁判決と公取委実態調査報告書(2022.06.16)
- ドライヤーの広告に関する差止訴訟(ダイソンvsパナソニック)(2022.06.12)
- スシロー「おとり広告」で措置命令(景表法)(2022.06.09)
- 台風被害によるマラソン大会の中止と参加費の返金(2022.05.13)
- 「クレベリン」(大幸薬品)措置命令まとめ(2022.05.05)
« 「消費者情報」新年号(関西消費者協会)はマイナンバー・個人情報保護法特集 | トップページ | マイナンバー制度の違憲差止訴訟 »
コメント