家庭用医療機器セールストークの不当表示(消費者庁)
昨日(10/17)、消費者庁は、株式会社ヘルス(東京都府中市)に対し、同社の製造、販売する家庭用医療機器「パワーヘルス」の販売の際のセールストークなどが景品表示法違反(優良誤認)に該当するとして措置命令を行っています。
同社の全国の営業所に消費者庁が立入検査に入っていたことは今年4月に報道されています。
なお、本件は景品表示法4条2項の不実証広告規定の適用事案です。
→ 消費者庁公表資料(PDF)
措置命令の対象となったのは、同社の無料体験会場で、以下のように、商品を継続して使用することにより、頭痛、肩こり、不眠症及び慢性便秘が緩解するだけでなく治癒するかのように、また、高血圧、糖尿病、腰痛等の他の特定の疾病若しくは症状も緩解又は治癒するかのように示す表示を行っていた点です。
「高血圧はパワーヘルスの生体電子で必ず治ります。軽い方だったらばパワーヘルスに続けて1週間かかっていただくと、血圧が少しずつ下がり始めます。で、重い方で大体10日間ぐらいから高血圧が少しずつ下がってきます。パワーヘルスに続けてかかっていただくと、この高血圧は芯から治ります。絶対治りますからね。」等と営業員が口頭で説明した。
「パワーヘルスで治療して治ったことは数え切れません。本当にたくさん治していただきました。頭痛に肩こり、目まいに耳鳴り、冷え性に高血圧、ドライアイに視力、まだまだたくさんありますが、その中でも、継続して本当に良かったことをお話します。」等の体験談を収録したDVDを視聴させた。
「パワーヘルスで治療したお蔭で、T細胞が活発に働き、潜んでいたがんの細胞を破壊して血を出させ、早く発見する事も出来たんだと思います。更に夜の治療で、将来に発症したかも知れない乳がんが消えたんだと思います。」等の体験談を掲載した小冊子を読み聞かせ、又は配布した。
口頭のセールストーク(口頭による広告)も景品表示法上の表示に該当しますが、実際に口頭のセールストークを不当表示として処分を行うことは極めて珍しいものです。
高齢者を相手に、店頭や講習会などで、本件同様に健康食品などの効能効果をオーバーに表現して買わせるセールスが拡がっている現状で、消費者庁がこのような処分を行ったことは評価できます。各種の高齢者をターゲットとした悪徳商法が増えている中、今後も強い姿勢で臨んでいただきたいと思います。
なお、あえてリンクはいたしませんが、本件のヘルス社の講習会のセールストークの様子などについては、Youtubeにいくつかアップロードされていて視聴することができます。
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