『憲法ガール』
一部でかなり話題になっている本の話なのですが、
「憲法ガール」大島義則著 法律文化社
が、発行されました。既に増刷にもなっているようです。
はしがきの冒頭を引用しますと、「平成18年から平成24年までの新司法試験公法系第1問を素材にしながら、憲法の事例問題の解き方を学べる小説です。」となっており、小説形式をとった、司法試験過去問題の憲法関連の問題の解説書という異色の本です。
この手の本としてはかなり評判になっていて、amazonでも品切れになったりしているようですが、増刷はされているようですので、待てば入手可能かと思います。
実際の弁護士の仕事の中で直接憲法が出てくることはあまりないですが、民事でも刑事でも、当然ながらバックボーンとなるところです。
私は、法科大学院で「情報法」の講義を何年かやっています。「情報法」って、あまり司法試験と関係はなさそうですが、この本を見ていただければわかりますように(第6話、第7話、第8話)、最近はインターネットに関する問題も出題されています。実は今年も、問題中にSNSが出てきたようです。
はしがきによれば、「本書のメインターゲットは、「憲法の答案の書き方がわからない」というお悩みをお持ちの法学部生、ロースクール生ですが、各話の冒頭と最後のみを読んでストーリーだけを楽しむこともできますので、広く憲法に関心を有する一般の方も楽しめるものになっています。」とされています。ですので、ろくに憲法とは何かということすら理解されていないのに、憲法改正を論ずる国会議員の皆様にも是非一読いただきたいところです。
さて、この本の著者である大島義則弁護士による特別講演会が、京都産業大学法科大学院で開催されます。実務家を長くやっているため憲法感覚がにぶっていそうな私も勉強すべく、参加予定です。本書の内容のみならず、今年の司法試験問題についても題材にして、憲法事例問題の解き方、考え方などなどを講演される予定です。詳しくは下記リンクです。
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