国民生活センター、消費者庁への移行へ(検討会報告書案)
先日もちょっと書きましたが、消費者関連の法案などの動きがこのお盆前後でいろいろあります。前回書いた消費者庁長官の交代も含めてですが。
特定商取引法の一部改正は、貴金属などの訪問購入トラブルという新しい消費者被害形態について、クーリングオフなど特定商取引法による規制を導入するものです。
→ 特定商取引法の一部を改正する法律(概要、要綱、新旧対照表など)
同じく成立した消費者教育の推進に関する法律は、消費者教育の機会が提供されることが消費者の権利であることを踏まえて、消費者教育に関し基本理念を定めて、国、地方公共団体の責務等を明らかにし、基本方針の策定など消費者教育の推進に関し必要な事項を定めて、消費者教育を総合的かつ一体的に推進しようという新しい法律です。
→ 消費者教育の推進に関する法律(概要、要綱、新旧対照表など)
そして、事故調査委員会の新設などを内容とする消費者安全法の改正が参議院の審議待ちという状態で、おそらく今月中くらいには成立するものと思われます。
また、集団的消費者被害救済制度のパブコメについては、先日書いた通りです。
今日は、「国民生活センターの国への移行を踏まえた消費者行政の体制の在り方に関する検討会」が開催され、報告書案が検討されたようで、報道によれば、独立行政法人であった国民生活センターを消費者庁に一元化する方向となったようです。この報告書案などの検討会配布資料は既にサイトにアップされています。
まだ、正式な方針決定というわけではありませんが、国民生活センターを消費者庁に移行することが、単なる効率化のための吸収ではなく、積極的な意味合いを持つ移行であって欲しいと願います。
なお、(専門の方にとっては)蛇足ですが、「国民生活センター」というのは、独立行政法人という一種の(広く言えば)国の機関です。これとは別に、全国の都道府県や市町村にある「消費者センター」「消費生活センター」など(他にも名称はいろいろあります。)がありますが、こちらは、各地方自治体に設置された別の組織です。
なので、仮に「国民生活センター」が消費者庁に移行して独立した組織がなくなったとしても(追記参照)、各地の「消費者センター」などは現状のままです。もちろん、業務には密接な関連がありますので、無関係なわけではありませんが。
【追記】(8/21)
報告書案によると、消費者庁に移行後も、独立した特別な機関とすることを妥当としていて、また、「国民生活センター」という名称も維持するものとしていますね。
なお、上記はあくまでも、検討会での報告書案の内容であり、最終的な決定ではありません。今後はこの報告書を元にして、政府、国会で検討されて決定されることになります。
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