NTT東・西に対する独占禁止法による差止訴訟提起(ソフトバンクBB・ソフトバンクテレコム)
本日、ソフトバンクBB(株)とソフトバンクテレコム(株)の両社(以下「SB両社」)が、東日本電信電話(株)と西日本電信電話(株)(以下「NTT東西」)を被告として、東京地方裁判所に訴訟を提起したことを発表しました。発表資料には訴状もついています。
【追記】訴状によれば、提訴日は10月6日ですね。SB両社の訴訟代理人は御器谷法律事務所。
この発表によれば、SB両社は、自らがFTTHサービスを提供するため、NTT東西に対して電気通信事業法に基づき、NTT東西の保有する一般家庭までの光ファイバーアクセス回線の「1分岐単位の回線接続」、「光加入者終端盤(OSU)共用に基づく接続」を求めていたところ、NTT東西は、技術的に可能であるにもかかわらず、これを拒否した、というものです。
そして、このNTT東西の行為により、SB両社を含むFTTHサービスを提供したいDSL事業者は、FTTHサービス市場への参入が不可能な状況に置かれ、同市場において、NTT東西の独占化が強化され、競争が実質的に機能しないことになり、これは、電気通信事業法に基づく接続義務に実質的に違反し、かつ、独占禁止法上も単独の取引拒絶、優位的地位の濫用(ママ)に当たり、不公正な取引方法に該当するため、当社らは独占禁止法24条・19条に基づく本件行為の差止めを請求した、としています。
この独占禁止法24条訴訟は、事例は少なく、しかも原告の差止請求が認容されたのは、今年3月のドライアイス取引拒絶事件だけという状態ですが、最近の事件としては東京スター銀行が三菱東京UFJ銀行を訴えた裁判やヤマト運輸が旧日本郵政公社を訴えた裁判が有名ですね。この裁判の関係で当ブログでも取り上げていますので、その他の関連記事を含めてご参考まで。
→ 「東京スター銀行対三菱東京UFJ銀行事件判決(東京地裁)」(7/28)
→ 「独占禁止法24条による差止請求訴訟に関するメモ(中途半端)」(09/2/19)
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