住宅用太陽光発電システムの不当表示措置命令(消費者庁)
今日は、最高裁で賃貸住宅の更新料に関する事件と橋本徹弁護士に関する事件と注目の判決が出ています。これらについては、まだ概略をTwitterを通じて知っただけですので、ここでは触れません。今夜あたりからニュースでも取り上げられることと思います。なお、先程ちょっと見たら、更新料判決については、既に裁判所の判決速報ページに出ているようです。
さて、本日、消費者庁は、株式会社日本ホットライフ(福岡市博多区)に対して、住宅用太陽光発電システムの取引に係る表示について、景品表示法4条1項2号(有利誤認)に該当するとして措置命令を行っています。節約できる金額や導入費用回収期間などの算定が不適切なものであるとするものです。
→ 消費者庁サイト報道発表資料(PDF)
原発事故の影響により、現在、太陽光発電システムも大きな注目を集めています。今後、一般向けの太陽光発電についてもシステム設置希望者が増えるかもしれませんし、事業者側も積極的なセールスを行うような状況になると思われます。今回の措置命令の対象事件は、東日本大震災とは無関係の平成21年10月頃から平成22年6月頃までの宣伝表示に関するものですが、太陽光発電システムの導入によって節約ができたり利益を得ることができるかのような広告表示は今後一層増える可能性がありますので、この事件のような不当表示等による悪質セールスには消費者側も充分警戒しなければならないと思います。
【違反事実の概要】
日本ホットライフは、自ら供給し又は子会社を通じて供給する住宅用太陽光発電システムの販売に関して、戸建て住宅への投函等により配布するチラシにおいて、「電気買取り価格2倍引き上げで、192,000円/年の節約(利益)!」「単純利回りは、なんと約8.0%!!」「導入費用の回収期間は13年となり、回収後の13年以降は、しっかり貯蓄にまわせます。」等の表示を行っていたが、
買取り価格の金額は、全量買取りを前提としているが、本件発電システムの場合、電力会社が買い取る余剰電力量は、通常、全発電電力の過半を超える程度であり、年間192,000円の利益を得ることはできないものであり、その利益額の面と、機器の破損や経年劣化などにより保証期間経過後に機器の交換、修理に費用負担が発生する場合もあることから、8.0%の利回り及び13年の回収期間を実質的に達成できず、恒常的かつ安定的に利益を得ることができないものであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なお、この事件の当時、国民生活センターは「ソーラーシステムの訪問販売のトラブルが増加-「売電収入」や「補助金」の過剰なセールストークに惑わされないで-」(09/10/7)という情報提供を行い、同時に経済産業省、消費者庁も対応を公表しています。これについては、当時、当ブログでも取り上げていますので、そちらをご覧ください。
→ 「ソーラーシステム(太陽光発電装置)セールスの悪質勧誘(消費者庁など)」
« ブロガーの商品推奨記事に関する韓国の動き(韓国公取委) | トップページ | エアコンの省エネ性能表示(消費者庁)とイカタコ »
「法律」カテゴリの記事
- 「NMRパイプテクタ-」(日本システム企画)についての記事(週刊新潮)(2020.09.18)
- 「京都芸術大学」名称差止訴訟判決を引き続き考える。(2020.09.09)
- 「京都芸術大学」の名称の差止訴訟判決(請求棄却・不競法)(2020.09.07)
- コンビニ本部と加盟店との取引に関する実態調査報告書(公取委)(2020.09.02)
- 経産省「電子商取引等準則」改訂(債権法改正関係)(2020.09.01)
« ブロガーの商品推奨記事に関する韓国の動き(韓国公取委) | トップページ | エアコンの省エネ性能表示(消費者庁)とイカタコ »
コメント