DeNA(モバゲータウン)に対する排除措置命令(公取委)
ちょっとブログの更新がとまってしまいました(特に訳はないのですが)。
さて、本日、公正取引委員会は、株式会社ディー・エヌ・エー(東京都渋谷区、以下「DeNA」)に対し、独占禁止法で禁止される不公正な取引方法14項(競争者に対する取引妨害)に該当する行為を行っていたとして、排除措置命令を行っています。同社は、先日、南場智子社長が「夫の看病」を理由に今度の株主総会限りで代表を辞任することを発表して話題になっていましたね。
→ 公取委サイト報道発表資料(PDF)
→ 同 概要図(PDF)
なお、この件については、昨年12月に公正取引委員会が立入検査に入ったことが報道されており、当ブログでも取り上げました。このときの報道では、不公正な取引方法の内、「拘束条件付取引」の疑いとのことでしたが、今回の排除措置命令では上記の通り「取引妨害」になっています。なぜ変わったのかを考えても面白いですね。
→「グリーとDeNAの話題など(独禁法、景表法、消費者契約法)」
(10/12/8)
【事案の概要】
携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービス「モバゲータウン」を運営し、ソーシャルゲームを自ら提供する又は他の事業者に提供させる事業を営むDeNAは、特定のソーシャルゲーム提供事業者に対し、グリー(株)の展開する「GREE」を通じてソーシャルゲームを提供した場合に、当該特定ソーシャルゲーム提供事業者がモバゲータウンを通じて提供するソーシャルゲームのリンクをモバゲータウンのウェブサイトに掲載しないようにすることにより、GREEを通じてソーシャルゲームを提供しないようにさせていた。
【排除措置命令の概要】
- DeNAは、前記行為を行っていない旨を確認すること及び今後当該行為と同様の行為を行わない旨を、取締役会において決議しなければならない。
- DeNAは、1に基づいて採った措置を、モバゲータウンを通じてソーシャルゲームを提供している事業者及びグリー(株)に通知し、かつ、自社の従業員に周知徹底しなければならない。
- DeNAは、今後、ソーシャルゲーム提供事業者に対し、他の事業者の運営する携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービスを通じてソーシャルゲームを提供した場合には当該ソーシャルゲーム提供事業者がモバゲータウンを通じて提供するソーシャルゲームのリンクをモバゲータウンのウェブサイトに掲載しないようにすることにより、他の事業者の運営する携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービスを通じてソーシャルゲームを提供しないようにさせる行為を行ってはならない。
DeNAは、今後、次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
・自社の運営する携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービスに係るソーシャルゲーム提供事業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成又は改定
・自社の運営する携帯電話向けソーシャルネットワーキングサービスに係るソーシャルゲーム提供事業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての,役員及び従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査
« 「集団的消費者被害救済制度」シンポ(京都弁護士会) | トップページ | 平成22年度景品表示法運用状況等(消費者庁・東京都) »
「パソコン・インターネット」カテゴリの記事
- 「食べログ」東京地裁判決と公取委実態調査報告書(2022.06.16)
- スシロー「おとり広告」で措置命令(景表法)(2022.06.09)
- 「ピークパフォーマンス」(野上麻理著)のご紹介(2022.02.27)
- 「弁護士法72条違反で」とは(2021.10.18)
- メルカリなどフリマへの出品と違法行為(2021.10.13)
「法律」カテゴリの記事
- 「食べログ」東京地裁判決と公取委実態調査報告書(2022.06.16)
- ドライヤーの広告に関する差止訴訟(ダイソンvsパナソニック)(2022.06.12)
- スシロー「おとり広告」で措置命令(景表法)(2022.06.09)
- 台風被害によるマラソン大会の中止と参加費の返金(2022.05.13)
- 「クレベリン」(大幸薬品)措置命令まとめ(2022.05.05)
« 「集団的消費者被害救済制度」シンポ(京都弁護士会) | トップページ | 平成22年度景品表示法運用状況等(消費者庁・東京都) »
コメント