iPhoneのパケット定額プランの広告表示についてのソフトバンクモバイル社に対する指導(総務省)
総務省は本日、iPhone に適用される二段階パケット定額プランに関し、ソフトバンクモバイル株式会社が不適正な広告表示を行ったとして、同社に対して指導を行いました。
→ 総務省サイト
「ソフトバンクモバイル株式会社に対するiPhoneに適用される二段階パケット定額プランに関する広告表示に係る措置(指導)」
「二段階パケット定額プラン」とは、パケット通信料の下限額と上限額が設定され、下限額に設定されたパケット通信量を超えて、上限額に設定されたパケット通信量に達するまでは、利用したパケット通信量に応じた料金が課金されるプランをいいます。
これは、iPhoneの3G通信機能をONにしていると、初期設定の端末で利用者が、メール、ウェブ閲覧、アプリケーションの利用等を一切行わない状態でも、パケット通信が自動的に行われ、それによって二段階パケット定額プランの下限額の1,029 円を上回るパケット通信料が発生することが確認された、というもの。つまり、二段階パケット定額プランであれば、利用量が少なければ、利用者としては下限額のみの支払いで済むものと認識するはずですが、実際には、常に下限額を超えてしまうという結果となるということになります。
総務省は、このようなソフトバンクモバイルの広告表示は不適正であり、利用者に誤認を与え、利用者の利益を害するおそれがあるものと認め、ソフトバンクモバイルに対し、二段階パケット定額プランにおいて、利用者が認識しない自動的な通信により料金プランの下限額を超えるパケット通信料が発生した原因その他の不適正な広告表示が行われた原因を究明するとともに、広告表示の適正化等の改善措置を速やかに講じ、報告を行うよう指導しました。
また、社団法人電気通信事業者協会に対し、スマートフォンを含む携帯電話に適用されるパケット通信料に関する広告表示を適正に行うよう会員事業者への周知を要請するとともに、電気通信サービス向上推進協議会に対し、スマートフォンを含む携帯電話に適用される広告表示について、ガイドラインの運用状況の確認を行い、適正な広告表示の確保のための取組を実施するよう要請しています。
これに対して、ソフトバンクモバイルはお詫びと対応について発表しています。
→ ソフトバンクモバイル「スマートフォン自動通信の告知に関するお詫び」
ところで、今回の総務省による指導の措置は、電気通信事業法に基づくものと思われますが、このような不適正な広告表示は、景品表示法に違反する不当表示ともなるものであり、消費者庁からの措置命令がなされるべき事案と思われます。
携帯電話サービスに関する料金体系は、非常に複雑なものとなっていて消費者にとってわかりにくく、実際に、携帯電話サービスの料金に関する不当表示については、これまでも景品表示法違反とされた事案があります。以下の通り、当ブログでも過去に取り上げていますので、興味のある方はご覧下さい。
→ 「イー・モバイルの携帯電話料金の不当表示(公取委)」(08/9/4)
→ 「DOCOMOとauの割引料金表示に警告(景表法)」(07/11/16)
このほか、2006年12月12日に、ソフトバンクモバイルに対して警告、KDDIとエヌ・ティ・ティ・ドコモに対して注意を行った携帯電話の料金割引についての不当表示事案があります。これを何故、当ブログが取り上げていないかというと(上記の07年の記事に少し触れてはいますが)、まだ当ブログが始まっていなかったからです(笑)
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