相撲事件と組織の危機管理
非常勤講師を務めている法科大学院の秋期講義も先週の試験をもって無事終了しました。もっとも試験の採点をしないといけませんし、早くも来年度のシラバスの原稿提出期限が迫ってきています。私の大学生時代には「シラバス」などという言葉を聞いた記憶がないのですが、最近はどこでもこの言葉を使ってますね。講義の予定の概略を学生に示すもので、昔からあったことはありますが、最近は各回の予定を事前に作っておかないといけないので大変です。
さて、前回も書きました日本相撲協会の八百長疑惑問題に関しては、大相撲の存亡の危機というところまで来ているようです。不祥事をきっかけに名門企業があっという間に消えてしまった、かっての雪印の事件を思い出します。あの事件でも、企業の危機管理体制、特に不祥事発覚後の対応に大きな問題があったように記憶しています。
今回の日本相撲協会についても、特別調査委員会を含め、マスコミ対応など事後的な危機管理体制がちゃんと出来ているのかな、という感じがします。放駒理事長自身は真面目な対応をされているように見受けられますので、応援はしたいのですが。。
協会が具体的にどのような対応をしているか判らないのですが、こういった問題が起こった場合(本来は何も起きていない時から)、危機管理の専門家との連携が必要です。単にマスコミなどの対応(極めて重要ですが)に限らず、当事者だけではなかなか認識できない様々の影響を検討していく必要があります。関係者からの賠償請求などの想定も含めて。
私も数年前にとある大阪の中堅企業が大企業とのトラブルに突然巻き込まれ、マスコミが注目することとなった事件に関わりましたが、このときには訴訟手続とは別に、大企業の圧倒的な広報能力に対抗して自らの正当性を発信することに努めました。
先日からFacebookのことを書いていますが、Facebookのファンページ(今はFacebookページと名称変更になりました。ホームページやブログみたいなものです。Facebook登録していなくても見ることができます。)の1つに、こういった危機管理対応・リスクマネジメントの専門家である東京の浅見隆行弁護士が作っておられる「企業不祥事研究会 by アサミ経営法律事務所」があります。今回の事件を含めて、平易に書かれていますので、ご参考まで。
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