悪質ドロップシッピング業者に対する裁判についての現状報告
今日は三重県津市での講師の仕事を昼過ぎまでやって大阪に戻ってきました。これは独立行政法人国民生活センターの「消費生活相談基礎講座」の中の講義で、私は昨年から5ヶ所(静岡、広島、高松、京都、津)での講義を担当しました。もちろん観光したりする時間はなく、とんぼ返り状態ですが、たまには、あちこちの街に出かけることは気分転換にもなって、いいものですね。
国民生活センターは現在は京都の野々山弁護士が理事長をされ、消費者問題に関わっている者にはおなじみの組織ですが、現在はなかなか難しい局面を迎えているようです。このあたりのことについては、たまたま本日、朝日新聞が報道しているようですし、この朝日の報道を踏まえて、町村泰貴教授がブログに書いておられますので、興味のある方はご覧ください。
→ Matimulog「国民生活センターの廃止か整理」
さて、悪質ドロップシッピング業者に対する訴訟を続けている大阪のドロップシッピング被害弁護団ですが、ちょっと簡単に現状報告をしておきます。
現在は、ウインド、オフィス・ピー(テトラ)、バイオの3社についての訴訟を遂行しています。このうち、一番最初に提起したウインドに対する訴訟については、既に昨年末に結審し、3月23日に言い渡されます。また、テトラを運営していたオフィス・ピーは会社名(商号)を「プラス」に変更しているようですね。
また、我々大阪の訴訟とは別に名古屋地裁では、バイオに対する判決が出たようです(平成22年12月1日判決言渡し)。
これは、運営会社であるバイオの他に代表取締役個人および営業担当社員個人2名を被告として、不法行為に基づく損害賠償又は(バイオに対する)不当利得返還請求を求めた裁判で、判決は「被告らは、共謀の上、原告らを欺罔して本件各契約を締結し、金銭の交付を受けたもの」として、欺罔行為による不法行為の成立を認め、既払金と弁護士費用を合わせた原告請求額の支払請求を認めています。
なお、この名古屋地裁判決は、このように不法行為に基づく損害賠償請求を認めたため、バイオに対する不当利得返還請求権については判断をしていません。この主張は、バイオとの契約が特定商取引法51条の業務提供誘引販売に該当するのでクーリングオフ、不実告知等による特定商取引法や消費者契約法に定める契約取消、民法上の詐欺・錯誤による取消・無効の主張だったわけですが、これらの主張の当否については判断がなされなかったわけです。
特に業務提供誘引販売該当性のところの判断が見たかったところですね。
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