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2010年12月 8日 (水)

グリーとDeNAの話題など(独禁法、景表法、消費者契約法)

 「あかつき」の金星軌道投入は結局は失敗に終わったようで残念です。でも、まだ6年後のリターンの可能性があるということで、夢は残してくれているようですね。

 さて、ゲームなどの携帯電話向けサービス「モバゲータウン」を運営するDeNA(ディー・エヌ・エー)および関係先に、公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立入検査に入ったと報道されています。携帯向けゲームのサービスは同社とグリーの大手2社が激しく競争をしている状況ですが、その競争の中で起こった事件のようです。

 報道によれば、今回の公取委の立入検査の理由は、DeNAが、今年夏に取引先のゲームソフト開発業者約100社に対して、ライバルであるグリーにゲームソフトを提供する場合には、自社との取引を打ち切るなどと不当な拘束をしたとして、それが独占禁止法不公正な取引方法(拘束条件付取引)の禁止に違反する疑いがあるということです。まだ、立入検査の段階ですので、これで違反事実についての公取委の認定如何により、処分が決まるということになります。
 なお、DeNAは、自社公式サイトにおいて、公取の立入検査の事実を認め「公正取引委員会の調査に全面的に協力してまいる所存です。」と発表しています。

 この携帯向けゲームの大手2社の争いは、テレビCMを見てるだけでもわかりますね。というよりは、興味のないものにとっては、どっちの会社のCMかわからないというほうが正しいのかもしれませんが。

 両社とも、無料でゲームを楽しめることを強調して、CM勧誘を行っていますが、もちろん無料で企業が成り立つはずはなく、無料ゲームだけでは物足らなくなって、より面白い有料のサービスやコンテンツを使いたくなるように仕向けるという構造になっています。このことがそれだけで違法とはいえませんが、青少年が利用することの多い携帯電話向けサービスですので、社会的な意味でもCMの内容などには配慮をしてほしいと思います。

 それに関して、適格消費者団体「消費者支援機構関西(KC’s)」は、グリーに対して、テレビCMで無料との音声を流すことの停止、および、利用規約の免責条項の是正を求める申し入れを行っています。前者は景品表示法(有利誤認)、後者は消費者契約法に違反するとの観点からの申し入れですね。
 → 消費者支援機構関西サイト公表ページ

【追記】(12/9)

 そういえば、DeNAグリーに関しては、こんなのも書きましたね。今回の新聞報道によれば、まだこの裁判は続いているようです。
 → 「携帯電話向けゲームについての著作権侵害訴訟について」(09/9/28)

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» 公正取引委員会がDeNAに立ち入り調査(ブルームバーグ・ITmediaより) [新宿ニュースBlog]
住所は代々木になっていますが、甲州街道を挟んで西新宿と隣接しているDeNAの本社に、この度公正取引委員会が独占禁止法の疑いで立ち入り調査を行いました。 DeNAは下請け業者に対し ... [続きを読む]

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