「独禁法セミナー」行ってきました(大阪弁護士会)
今日は、先日書きましたように、大阪弁護士会と公正取引委員会近畿中国四国事務所の共催による「一般消費者向け独占禁止法セミナー」が大阪弁護士会で開催されたので、出席してきました。「一般消費者向け」とはなっていますが、パネリストも豪華メンバーで、どちらかといえば、あまり独占禁止法の勉強をしたことのない若い弁護士さんに是非来てほしかったと思います。
パネリストは、泉水文雄教授(神戸大学大学院法科大学院教授)、中嶋弘弁護士(大阪弁護士会 消費者保護委員会委員)、小室尚彦企画官(公正取引委員会 官房総務課 企画官)でしたが、消費者や零細事業者からの視点での独占禁止法の意味、活用法、今後の課題がそれぞれの立場からわかりやすく述べられたと思います。
小室企画官らの最初の独禁法解説はなかなか楽しく、公取委のゆるキャラ「どっきんくん」には笑いました。「どっきんくん」は → こちらへ
泉水教授の景品表示法が公取委から消費者庁に移管したことについての問題点のご指摘には私も全くその通りだと思いましたし、消費者・零細企業者の立場からの独占禁止法活用の第一人者である中嶋弁護士の経験に基づく話も会場の弁護士さんたちには大変参考になったことと思います。
大きな企業の企業法務をやっているような法律事務所であれば、当然、独占禁止法の知識は要求されるわけですが、私のような一般市民や中小企業の顧客の多い弁護士でも独占禁止法の知識は必須だと思います。しかし、必ずしも、そのような多くの弁護士が独占禁止法の知識や経験を持っているわけではありません。
「独占禁止法」というと上場しているような大企業の法律実務の問題だと考えがちですが、決してそうではありません。そもそも、「独占禁止法」というのは、略称です(もっと省略したのが「独禁法」ですけどね。)。正式名称は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」です。この法律名の前半だけを略したので、「独占禁止法」になるわけで、後半を略せば「公正取引確保法」になりますね。これだけで随分と印象は変わってきます。私は、この後半を中心とした略称にしたほうが、この法律を正確に認識できるような気がします。
ということで、中小零細企業が依頼者である場合も独占禁止法の知識経験は必要なはずなのですが、そこのところが浸透していないのですね。
このようなセミナーは、広報の仕方も難しい点もあって、今日は参加者が多かったとはいえませんが、そのあたりを検討したうえで、来年も是非開催いただければと思います。運営関係者の皆様、お疲れ様でした。
« 7月半ば投函の郵便物が3通も届いた話 | トップページ | 景表法・不実証広告規定に関する判決(東京高裁) »
「法律」カテゴリの記事
- 「食べログ」東京地裁判決と公取委実態調査報告書(2022.06.16)
- ドライヤーの広告に関する差止訴訟(ダイソンvsパナソニック)(2022.06.12)
- スシロー「おとり広告」で措置命令(景表法)(2022.06.09)
- 台風被害によるマラソン大会の中止と参加費の返金(2022.05.13)
- 「クレベリン」(大幸薬品)措置命令まとめ(2022.05.05)
コメント