『3D映画による体調不良』(国民生活センター)
8月になりましたが、全国的に毎日猛暑が続きますね。お元気でお過ごしでしょうか。
さて、「アバター」以来、今年は3D映画が話題になり、家庭用のテレビも商品化されるようになりました。
この3D映画について、本日、国民生活センターが「3D映画による体調不良」という報道発表をしています。最近では私も「アバター」(3D方式違いを2回)、「アリス イン ワンダーランド」を見ていますが、私自身は特に体調不良になったということはありませんでした。
ただ、確かに3Dメガネは邪魔ですし、小さな子供に見せる必要はないと思いますね。
これによれば、「3D映画を観て気分が悪くなったという相談が消費者トラブルメール箱やPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられ始めた」、「映像の視聴による眼精疲労や不快感、頭痛などの体調不良は、業界や研究者の間では映像酔いなどとして知られており」、「原理上、3Dが2Dよりも映像酔いを起こしやすいおそれもあると言われている。」とのことで、今回、消費者への周知を目的に注意喚起を行うとしています。
紹介されている相談事例は、「3D映画を観て激しい頭痛に悩まされた。」、「中学1年生の娘が乗り物酔いのようになった。自分も眼精疲労と頭痛が起こった。」、「目の奥が痛み、物が二重に見え、数日続いた。友人と話していたら、特に字幕版を観た人に異常が出るようだとの話が出た。」というようなものです。
体調不良を訴える相談事例は今のところ劇場映画に限られている、とのことですが、このような体調不良を起こすおそれがあることについてはほとんど周知されていない、ことが問題点として挙げられています。
そして、消費者へのアドバイスは、以下の3点。
- 体調不良を起こすおそれがあることを知っておこう
3D映像は体質によって、またその日の体調等によっても変調を感じる場合がある。劇場用映画を観る場合は、そういうことがあると知った上で、自分の状態を判断する。 - 体調不良を感じたら視聴を中止する
もし、途中で体調不良を感じたらすぐに視聴をやめた方がよい。また、観ている最中は気がつかなくても、後でふらつきや眼精疲労を感じることがあるので、鑑賞後はしばらくの間は自動車の運転をしない方がよい。 - 子どもは保護者がしっかり配慮する
子どもに劇場用映画を観せるかどうかは親の判断となる。眼鏡が顔に合わない状態などは適当ではないので、あまり小さいうちは避け、子どもの成長や状態で判断する。また、映画館から持ち帰った眼鏡で遊んだりさせないようにする。
今後家庭へも3D機器が入ってくると思われるが、子どもにテレビを見せたりゲームをさせる際と同等の、基本的な注意を守るべきである。具体的には、目の機能が完成し眼鏡をきちんとかけることのできる年齢・状態で、部屋を明るくして長時間見続けない、姿勢を崩さない、様子を良く見て疲れた場合は視聴を中止する、など大人が十分配慮する。
さらに、映画産業団体連合会に対して、以下の要望がなされています。
「劇場用映画の場合は特に、画面や音の大きさ、照明の暗さなどにより、臨場感や映像効果をより強く感じる代わりに、体調不良を起こすおそれが高くなると考えられる。映画館ではできるだけ消費者がチケットを購入する前に、3D映画は体質、体調により合わない場合があるという情報を知らせ、上映前には、途中で体調の不良を感じた場合の対処方法を注意喚起するなどしてほしい。」
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