農協組合員で構成される花卉出荷組合の独禁法違反行為に対する警告(公取委)
今日は京都など近畿地方も大雨が続き、河川の水量もずいぶん増えていました。九州や山口、広島などは、もっと大変な状況です。梅雨末期ということもあり、まだ、このような天気が続くかもしれませんが、重大な被害が起こらないよう祈るばかりです。皆様も充分ご注意ください。
さて、本日、公正取引委員会は、新函館農業協同組合(新函館農協)の組合員で構成されるJA新はこだて花卉生産出荷組合(花卉組合)に対し、独占禁止法8条4号(事業者団体による構成事業者の機能又は活動の不当な制限の禁止)に違反するおそれがある行為を行っているとして、花卉組合に対して警告を行いました。また、新函館農協に対しても要請を行っています。
→ 公取委 報道発表資料(PDF)
最近の農協関係の独占禁止法違反事件としては、昨年12月に、公正取引委員会は、大分県の農協の行為が、独占禁止法で禁止する不公正な取引方法一般指定13号(拘束条件付取引)に該当するとして、排除措置命令を出しており、この件については、当ブログでも取り上げました。
→ 「大分大山町農協への排除措置命令(独禁法・拘束条件付取引)」
(09/12/10)
【警告と要請の概要】
- 花卉組合は、平成15年1月頃以降、花卉組合の組合員が生産する花卉について、その全てを新函館農協に出荷すること等を内容とする規約を定めるとともに、これに反して新函館農協以外の者に出荷した花卉組合の組合員を議決権のない準組合員に降格させるなどして、花卉組合の組合員に対し、その全てを新函館農協に出荷するようにさせることにより、花卉組合の組合員の事業活動を不当に制限している疑いのある行為を行っている。
- 花卉組合の上記行為は、独占禁止法8条4号の規定に違反するおそれがあることから、公正取引委員会は、花卉組合に対し、上記行為を取りやめ、今後、このような行為を行わないよう警告した。
- 新函館農協は花卉組合の事務局を務めているところ、新函館農協の職員が、上記規約の制定等に係る事務に携わるとともに、上記行為について検討するため開催された花卉組合の総会、役員会等に出席していた事実が認められた。このため、公正取引委員会は、新函館農協に対し、花卉組合及び花卉組合以外の新函館農協の組合員で構成される事業者団体が、今後、上記と同様の行為を行うことのないよう、新函館農協の職員に対し独占禁止法の研修を行うなど再発防止のための措置を講ずるとともに、これら事業者団体に対し同様の行為を行わないための指導を着実に実施することを要請した。
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