優越的地位濫用に関するガイドラインについての意見募集(公取委)
独占禁止法の改正案(審判手続の廃止等)について、当ブログでも触れていましたが、この国会情勢の中で先送り(衆議院にて閉会中審査)になってしまっています。
→ 「審判手続廃止の改正法案、閣議決定(独禁法)」(3/12)
さて、独占禁止法関連では、本日、公正取引委員会から、「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」というガイドラインの原案が公表されて意見募集(パブコメ)が出されています。意見の提出期限は、8月6日(金)18:00(必着)となっています。
→ 同ガイドライン原案に対する意見募集について(PDF)
→ 同ガイドラインの原案(PDF)
→ 「原案のポイント」(PDF)
「優越的地位の濫用」は、独占禁止法で禁止されている「不公正な取引方法」の一つで、従来は、いわゆる「一般指定」の一つとして禁止されていたものでしたが、昨年の法改正により、独占禁止法2条9項5号の法律上の禁止行為となったものです。
【独占禁止法2条9項5号】
自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、次のいずれかに該当する行為をすること。
イ 継続して取引する相手方(新たに継続して取引しようとする相手方
を含む。ロにおいて同じ。)に対して、当該取引に係る商品又は役務
以外の商品又は役務を購入させること。
ロ 継続して取引する相手方に対して、自己のために金銭、役務その他
の経済上の利益を提供させること。
ハ 取引の相手方からの取引に係る商品の受領を拒み、取引の相手方か
ら取引に係る商品を受領した後当該商品を当該取引の相手方に引き取
らせ、取引の相手方に対して取引の対価の支払を遅らせ、若しくはそ
の額を減じ、その他取引の相手方に不利益となるように取引の条件を
設定し、若しくは変更し、又は取引を実施すること。
そして、この昨年の改正法によって、これに該当する行為であって、一定の条件を満たすものについて、公正取引委員会は、課徴金の納付を命じなければならないことになりました。
このように違反行為に対する制裁が重くなったこともあり、法運用の透明性、事業者の予見可能性を向上させる観点から、今回、公正取引委員会が、上記のガイドラインを策定しようとしているものです。
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