光ファイバケーブル製品等のカルテル事件(公取委)
NTT発注の光ファイバー製品のメーカー(住友電工、古河電工、フジクラ、昭和電線ケーブルシステム、住友スリーエム)に対して、合計約161億円という高額の課徴金が命じられています。なお、関連業者は計9社になります。
本日、公正取引委員会は、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモなどが発注する光ファイバケーブル製品の製造業者に対し、独占禁止法3条(不当な取引制限の禁止)に違反するとして、排除措置命令および課徴金納付命令を行いました。
→ 公取委サイト 報道発表資料(PDF)
なお、上記4社のほかに、日立電線、コーニングインターナショナル、昭和電線ホールディングス、アドバンスト・ケーブル・システムズの関与も認定しましたが、そのうち、アドバンスト社は違反を事前申告したため、自主申告による課徴金減免制度(リニエンシー)の適用で、命令を免れたようです。これについては、公取委サイトの適用事業者ページには出ていませんが、報道によれば、そのようですね。公取委サイトの適用事業者公表は公表希望事業者のみなので、同社は公表を希望しなかったのかもしれません(といっても、こうやって分かったりするわけですが)。
古川電気工業は、自主申告により30%の減額を受けたことが、公取委サイトに公表されています(調査開始日以後の申告なんでしょうね。)。 → 公表ページ
また、調査開始日から遡って10年以内に課徴金納付命令を受けた事業者については、独禁法7条の2第7項により、課徴金が5割加算されているようです。どこが、というのは確認してませんが、主要メーカーによる電線のカルテル事件の摘発はこれまでにもなされていますので、そういった会社には加算されているのでしょうね。
他の3社は違反行為が3年以上前に終わっているため、公取委が排除措置も課徴金も命令を出さなかった模様です。
【違反行為の概要】
NTT東日本等が発注する光ファイバケーブル製品、FASコネクタ、熱収縮スリーブについての発注者に提出する見積価格を事前に調整し、価格や受注企業を決めていた。
【課徴金納付命令】
住友電気工業株式会社 67億6272万円
古川電気工業株式会社 46億0602万円
株式会社フジクラ 44億1164万円
昭和電線ケーブルシステム株式会社
1億9903万円
住友スリーエム株式会社 1億2002万円
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