年度末の不当表示措置命令3件連続(消費者庁)
いよいよ年度末も押し詰まってきました(後1時間を切りました)。
昨日は、公正取引委員会の発表案件をまとめて挙げておきましたが、今日もまとめて、公取委から消費者庁に移管された景品表示法の違反事案です。実は、消費者庁による景品表示法違反の措置命令は、今年はまだ出てなかったのですが(警告は1件)、年度末に至って、以下の通り、3件続けて出てきたということになっています。
まず、本日、消費者庁は、QVCジャパン(千葉市美浜区)と住金物産(大阪市北区)に対し、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するとして、措置命令を行っています。このブログでも何度も紹介していますが、景品表示法違反の常連となってしまっている「カシミヤ」の不当表示がまた出ました。
→ 消費者庁 公表資料(3/31) (PDF)
【違反事実の概要】
本件の対象は、「カシミヤ&ウール/キャメル&ウール 掛布団」と称する布団であり、住金物産は、他の事業者に委託して本件布団を製造しており、QVCジャパンは、住金物産から本件布団を仕入れて、QVCジャパンのテレビショッピング番組及び同社のウェブサイトを通じて通信販売により一般消費者に販売していた。
そして、テレビショッピング番組やWebサイト上で、「カシミヤ80%」などと表示(映像や音声を含む)して、一般消費者をして、布団の詰め物の原材料にカシミヤが80%用いられているとの認識を与えたが、実際には本件布団の詰め物の原材料にカシミヤは用いられていなかった。
【措置命令の概要】
ア 前記表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示す
ものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。
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この事件の他、3月29日には、ウナギの蒲焼き、鰻重の表示として、実際は台湾産なのに「国産」と表示してスーパーなどの店舗で販売していた業者、株式会社日本一(千葉県野田市)に対して、景品表示法違反(優良誤認)として同様の措置命令が出されています。まぁ、農水産物の国産偽装表示も常連ですね。
→ 消費者庁 公表資料(3/29) (PDF)
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また、3月25日には、株式会社ボンシック(東京都渋谷区)に対し、「NYX」の商標を付した化粧品及び化粧雑貨の表示として、アメリカが原産国であるかのように表示していたが、実際には、中国、台湾、韓国、ドイツなど他の国が原産国であったという事案につき、景品表示法4条1項3号(商品の原産国に関する不当な表示)に違反するとして、消費者庁が措置命令を行っています。
→ 消費者庁 公表資料(3/25) (PDF)
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