「著作権の世紀」(福井健策著)読了
先日、文庫本1冊を読み終えたことをここに書きましたが、その後、すぐ読み始めた集英社新書「著作権の世紀 - 変わる『情報独占制度』」(福井健策著)を読み終えました。
著者は、著作権法実務の専門家である福井健策弁護士です。
一気に読みましたが、大変面白かったです。最近、IT社会の進展とともに、いろいろな著作権がらみの問題が発生していますが、それらについて、最先端の法律実務専門家の立場から、しかし、一般の人にもわかりやすく、見事に整理して書かれています。
著作権保護期間の延長問題、私的複製、グーグルブック検索の米訴訟和解や今後の著作権法リフォーム論など、私にとって興味深い問題を取り上げておられ、本当に勉強になりました。このような問題は、学者による著作権法の本にはほとんど載っていませんし、また、時々、新聞、雑誌やテレビなどで取り上げられることはあっても、表面的な解説がほとんどで、しかも法律家の立場から満足できるようなものは少ないのが実情です。それをわかりやすく、かつ、もちろん著作権の正確な知識をもとに書かれています。しかも安価で(笑)
私も力不足ながらロースクールで情報法なる講義をしており、ネット関連の著作権についても触れることがありますが、授業のネタとしてもかなり活用できそうです。
同じく集英社新書の著者の前著「著作権とは何か」も入手し、続けて読むこととしました。
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