罰金刑確定による価格カルテル課徴金の減額審決(公取委)
今日は、公正取引委員会がいくつかの審決を公表していますが、そのうちの一つが、日鉄住金鋼板、日新製鋼、淀川製鋼所の3社に対して、課徴金納付命令で命じられていた課徴金の一部を控除する審決(11/9)が出ています。
→ 公取委サイト報道発表資料(PDF)
溶融亜鉛めっき鋼板等についての価格カルテル事件に関するもので、当ブログでも何度か取り上げました。
→ 「亜鉛めっき鋼板カルテル事件の刑事判決(東京地裁)」(9/15)
→ 「亜鉛めっき鋼板カルテルの刑事告発について(独禁法)」(08/11/8)
→ 「亜鉛鋼板カルテルについての犯則調査(公取委)」(08/1/24)
今回の課徴金一部控除の審決は、以前に出された課徴金納付命令の内容が間違っていたなどという理由ではありません。この価格カルテル事件に関する刑事事件の裁判(上記ブログ記事参照)で、3社に罰金の支払いが命じられたため、その金額の半分が課徴金から減らされたというものです。
これは、独占禁止法51条1項の規定によるものです。
〔独禁法51条1項〕
第7条の2第1項(同条第2項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定により公正取引委員会が納付命令を行つた後、同一事件について、当該納付命令を受けた者に対し、罰金の刑に処する確定裁判があつたときは、公正取引委員会は、審決で、当該納付命令に係る課徴金の額を、その額から当該裁判において命じられた罰金額の2分の1に相当する金額を控除した額に変更しなければならない。ただし、当該納付命令に係る課徴金の額が当該罰金額の2分の1に相当する金額を超えないとき、又は当該変更後の額が百万円未満となるときは、この限りでない。
« Googleブック検索の訴訟和解に対して米国に注文(文化庁) | トップページ | 初の景表法処分はファミマ「カリーチキン南蛮」(消費者庁) »
「法律」カテゴリの記事
- トロビカーナ「メロン テイスト」に対する措置命令(消費者庁)(2022.09.06)
- 「食べログ」東京地裁判決と公取委実態調査報告書(2022.06.16)
- ドライヤーの広告に関する差止訴訟(ダイソンvsパナソニック)(2022.06.12)
- スシロー「おとり広告」で措置命令(景表法)(2022.06.09)
- 台風被害によるマラソン大会の中止と参加費の返金(2022.05.13)
« Googleブック検索の訴訟和解に対して米国に注文(文化庁) | トップページ | 初の景表法処分はファミマ「カリーチキン南蛮」(消費者庁) »
コメント