Googleブック検索の訴訟和解に対して米国に注文(文化庁)
アメリカのGoogleブック検索についての訴訟に関して、昨日、日本で著作権問題を所管する文化庁が、アメリカ政府に注文をつけたことを公表しました。11月6日に、在米日本国大使館から、米国政府に対し、外交ルートを通じて下記概要のような我が国の考えを伝達した、とのことです。
このアメリカの訴訟と和解については、当ブログでも何度か触れましたが、Googleのブック検索サービスに対して、全米作家協会などが著作権侵害を理由として2005年に訴訟を起こしていたもので昨年10月の和解案成立後、和解の手続が進行中のもの。文化庁によれば、今年11月9日までに新和解案が米国裁判所に提出される予定とのことです。
→ 文化庁サイト発表資料(PDF)
〔文化庁公表による概要〕
在米日本国大使館から、米国政府に対し、外交ルートを通じて米国のグーグル・ブック検索の訴訟に関して、本件は、日本の著作権者等にも大きな影響が及ぶ可能性があり、我が国の活字文化・出版文化の在り方にも深く関わる問題であり、日本の著作権者等についても公平・公正な扱いが確保されることが必要であるという観点から状況を注視していること、本件が、著作権に関する条約に沿う形で解決されることが重要であると考えていることを伝えるとともに、新たな和解案の内容等について日本の著作権者等に対する速やかかつ十分な情報提供が行われること等が望ましい旨を伝達した。
なお、この訴訟に関する当ブログ関連記事は(いずれも今年)、
→ 「Googleブック検索と著作権に関する米国での和解(クラスアクション)」
(2/25)
→ 「Googleブック検索と著作権に関する和解の件(続きです)」(3/4)
→ 「Googleブック検索をめぐる和解と独占禁止法(アメリカ)」(4/8)
→ 「Googleブック検索の和解案に関して2題
(米司法省調査・日本の著者対応)」(5/5)
→ 「Googleブック検索についての米司法省調査(続報)」(7/3)
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