2011年アナログ新聞も終了?(テレビだけじゃない!)
佐々木俊尚著「2011年新聞・テレビ消滅」(文春新書)を一気に読み終えました。いつもながら、著者のIT社会に対する鋭い切り込み方は感心してしまいます。
ちょうど、電通が営業利益70%減という第1四半期の連結決算を発表したというニュースも流れ、3D的な現実感をもって読むことができました。
新聞業界に関して言えば、新聞離れ、活字離れという従来からの構造不況と昨年来の世界金融不安という状況のもとでの新聞販売数や広告料収入の低下という側面は認識していましたが、デジタル化による淘汰の流れは、決着がつくのはもう少し長いスパンのことと何となく思っていました。本書では、それがわずか2年先のことと予測しています。
新聞業界(これは当然、新聞販売店も含むことになりますね。)としては、佐々木氏の予測する最悪の結果を回避するためには、これまでの常識にとらわれない相当思い切った変革が必要なのでしょう。
テレビ放送に関して言えば、私自身、総務省が検討を進めている「情報通信法」については、報告書等を見たりはしてましたが、もひとつイメージがつかめていなかったのが正直なところで、本書を読んで切り口が一つ見えたような気になりました。
私自身のメモを兼ねて、紹介しておきますと、07年12月に、総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」の最終報告書が公表され(→総務省サイト報道資料)、その後、立法に向けて同省の情報通信審議会で検討が続けられており、今年7月には同審議会の答申案が公表されているところです。
→ 答申(案)(PDF)
それと、テレビ番組のネット配信サービスに関する一連の裁判のうち「録画ネット事件」と「まねきTV事件」を取り上げておられます。細かく言うと難解なこの一連の判決について、一般の方にもわかりやすい文章で触れておられるのは「さすが」と思いました。本当は私たち法律専門家が一般向けに紹介できないといけないのでしょうね。反省すべきところです。
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