21年度旧司法試験第2次試験論文式試験問題(法務省)
法務省サイトに、平成21年度旧司法試験第2次試験論文式試験問題が公表されていました。
→ 法務省サイト 試験問題(PDF)
いくつかの問題を貼り付けときます。まだ、「出題の趣旨」が掲載されてませんが、そのうち出るでしょう。
〈憲 法〉第2問 どこかで聞いたことがあるようなないような事案
国会議員であるとともに弁護士でもあるAは,派遣労働者の権利利益を拡充する内容の法律案に関して開催された地方公聴会において,この法律案の必要性を訴える中で,「この法律案に反対している経営者団体の幹部Bは, 労働者を搾取することしか考えておらず,自分が担当している訴訟においてもB が違法に労働者を働かせていることを立証済みである。」旨の発言をしたほか, この発言を自己が開設したホームページに掲載した。Bは,Aの発言やホームページへの掲載により名誉を毀損されたとして, 国とAを相手取り損害賠償を求めて提訴するとともに,Aが所属する弁護士会に対してその懲戒の請求をした。
この事例に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。
〈刑 法〉第1問 「正当防衛」も関係しますね。
甲及び乙は,路上を歩いていた際, 日ごろから仲の悪いAと出会い,口論となったところ,立腹したAは甲及び乙に対し殴りかかった。甲は,この機会を利用してA に怪我を負わせてやろうと考えたが,その旨を秘し,乙に対し,「一緒に反撃しよう。」と言ったところ,乙は甲の真意を知らずに甲と共に反撃することを了承した。そして, 甲は,Aの頭部を右拳で殴り付け,乙は, そばに落ちていた木の棒を拾い上げ,Aの頭部を殴り付けた結果,Aは路上に倒れ込んだ。この時,現場をたまたま通りかかった丙は,既にAが路上に倒れていることを認識しながら,仲間の乙に加勢するため, 自ら別の木の棒を拾い上げ,乙と共にAの頭部を多数回殴打したところ,Aは脳損傷により死亡した。なお,Aの死亡の結果がだれの行為によって生じたかは,明らかではない。
甲,乙及び丙の罪責を論ぜよ( ただし,特別法違反の点は除く。)。
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