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2009年6月11日 (木)

まだ読んでないけど『1Q84』(村上春樹)

 今回は、法律の話はありません。

 村上春樹「1Q84」がすごく売れているとニュースにもなっています。今回の異常な売れ方は、最近のエルサレム賞の受賞講演の印象が残っている中で、出版社の戦略が見事に当たったという感じもします。もう少し落ち着いてから読んでみたいと思います(文庫版を待とう)。

 だいたい、出版前から、中身は秘密だ、などといった情報がネット上に現れていて、このあたりから出版社の宣伝だろうと思ってみてましたが、それが成功したのでしょう。最初、ネット上で「1Q84」と出ているのを見て、しばらくの間IQ84」だと思いこんでいて、一体どんなテーマの小説なんだろうと思ってました(苦笑)

 村上春樹は私が学生の頃デビューして一気に人気作家となった人ですが、その数年前に「限りなく透明に近いブルー」でデビューした同世代作家の村上龍とごっちゃになってたくらいで、そのまま読まず嫌いみたいな状態だったうえ、村上春樹に限らず、最近まで、しばらく小説離れをしていたので、その作品は読んだことがありませんでした。

 ところが、このブログの左欄の「最近読んだ本」を見ていただければ判るように、今回の「1Q84」ブームとは関係なく、最近、村上春樹を読んでいます。今は、「羊をめぐる冒険」の読みかけ中。

 読み出したきっかけは、昨年、「走ることについて語るときに僕の語ること 」(2007)を読んだことでした。村上春樹はランニングを趣味としていて、ボストンマラソンに出場したり、市民ランナーとしては結構速いのですが、私もランニングを趣味にしている関係もあって、読んでみました。この本は、小説ではなく、自分のランニング・ライフについての随筆です。読んでみると、ランニングをするものとして共感できる部分が多く、一気に読了しました。ランニングやマラソンについて書かれた本というのは今までにも少なくはないとはいえ、多くはランニングについての参考書的なものか、アスリートや市民ランナーなど文章は素人の体験記的な本でした。スポーツライターのような人の本もありますが、村上春樹を読んでみて思ったことは、やはり、小説家は違う、文章表現のプロだ(当たり前ですけど)。そのプロフェッショナルがランニングについて自分の内面的な部分を含めて書くのですから、私の中のランニングについての感性を刺激し、表に出してくれたような感覚になったのですね。それが大きな「共感」を呼んだのだと思います。

 最近、村上春樹を読み始めたきっかけは、そんなところです。
 以上、決して今回の「1Q84」ブームで読み出したのじゃないぞ、という言い訳でした。

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