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2009年6月22日 (月)

セブンイレブン「見切り販売制限」についての排除措置命令(公取委)

 先日来、報道されてきたセブンイレブンの見切り販売の制限についての排除措置命令が出ました。
 → 関連の当ブログ記事
  「コンビニ値引制限と国交省公用車談合に関する報道(独禁法)」(5/28)
  「フランチャイズ契約と独占禁止法(公取委)」(2/20)
 

 本日、公正取引委員会は、株式会社セブン-イレブン・ジャパン(東京都千代田区)に対し、独占禁止法19条(不公正な取引方法第14項〔優越的地位の濫用〕第4号に該当)に違反するとして、排除措置命令を行いました。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

【違反行為の概要】
 セブン-イレブン・ジャパンの取引上の地位は加盟者に対して優越しているところ、セブン-イレブン・ジャパンは、加盟店で廃棄された商品の原価相当額の全額が加盟者の負担となる仕組みの下で、推奨商品のうちデイリー商品に係る見切り販売を行おうとしたり、行っている加盟者に対し、見切り販売の取りやめを余儀なくさせ、もって、加盟者が自らの合理的な経営判断に基づいて廃棄に係るデイリー商品の原価相当額の負担を軽減する機会を失わせている。
 ここでいう「見切り販売」とは、セブン-イレブン・ジャパンが独自の基準により定める販売期限が迫っている商品について、それまでの販売価格から値引きした価格で消費者に販売する行為をいっています。
 セブン-イレブン・ジャパンは、推奨商品のうちデイリー商品について、メーカー等が定める消費期限又は賞味期限より前に、当該販売期限を定めているところ、加盟店基本契約等により、加盟者は、当該販売期限を経過したデイリー商品についてはすべて廃棄することとされている、とのこと。

 なお、加盟店で廃棄された商品の原価相当額については、加盟店基本契約に基づき、その全額を加盟者が負担することとされているところ、セブン-イレブン・ジャパンは、加盟者から収受しているロイヤルティの額については、加盟店基本契約に基づき、加盟店で販売された商品の売上額から当該商品の原価相当額を差し引いた額に一定の率を乗じて算定することとし、当該ロイヤルティの額が加盟店で廃棄された商品の原価相当額の多寡に左右されない方式を採用している、とのこと。

【排除措置命令の概要】

  1.  セブン-イレブン・ジャパンは、前記行為を取りやめなければならない。
  2.  セブン-イレブン・ジャパンは、前記行為を取りやめる旨及び今後、当該行為と同様の行為を行わない旨を、取締役会において決議しなければならない。
  3.  セブン-イレブン・ジャパンは,前記に基づいて採った措置を加盟者に周知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
  4.  セブン-イレブン・ジャパンは,今後,前記行為と同様の行為を行ってはならない。
  5.  セブン-イレブン・ジャパンは,今後,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
    ア 加盟者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の
     改定
    イ 加盟者が行う見切り販売の方法等についての加盟者向け及び従業
     員向けの資料の作成
    ウ 加盟者との取引に関する独占禁止法の遵守についての,役員及び
     従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査

【追記】(6/22)
 今、NHKのニュースで、コンビニの「見切り販売」が加盟店として良いのか否か、という視点で取り上げてましたが、今回、問題にしているところは、「見切り販売」がいいかどうか、ではなく、本部側が加盟店に「見切り販売」の禁止を押し付けることがいいかどうか、なのですけどね。
 みんなが「見切り販売」をしないといけない、という話ではありません。「見切り販売」をしない自由ももちろんあることは当然なので、本来は環境問題とは別問題なのですが、マスコミは必ず関連させたがりますね。環境問題は非常に重要ですが、ごちゃごちゃに議論していては前進しないと思います。

 報道ステーションでも同様の報道ですね。公取委は環境問題については一切考慮してないのですけども・・・

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私のブログでは、セブンイレブンの優越的地位の濫用について何回か記事にしてきた。 ○ 2009/02/20「セブンイレブン 公取調査へ-ようやく記事にすることができた大手メディア」 ○2009/05/29「公取委、セブンイレブンに排除命令へ 加盟店の値引き制限(1)鈴木敏文王国の「..... [続きを読む]

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