『英検』受験用書籍についての不当表示(景表法)
ここのところ世間では(財)日本漢字能力検定協会の『漢検』が何かと話題になっていますが、こちらは『英検』(英語検定)の関連です。英検は、(財)日本英語検定協会が実施する実用英語技能検定の略称です。ご承知のように、(財)日本英語検定協会の理事長は、旺文社の代表取締役です。
株式会社旺文社が販売する英検受験用書籍の広告表示について、以下の通り景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するおそれがあるとして、本日公正取引委員会が警告を行ったものです。
→ 公取委サイト報道発表資料(PDF)
→ 旺文社サイトの発表記事(PDF)
不当表示のおそれがあるとされた表示は、英検受験用書籍の帯や包装箱に記載された表示で、
- 「英検合格者の80%が使っているから、旺文社だけが提供できる100%以上の満足」
- 「英検合格者の80%以上が使っている旺文社の英検書」
というもの。この表示が、あたかも、英検の各級の合格者の80%以上が当該商品を使用しているかのように表示しているところ、実際には、このような表示に係るデータを旺文社が有していないので、そのような実態がないおそれがあるとされて、警告を受けたものです。
【追記】(6/9)
上の旺文社の発表記事をつらつらと眺めていたら別記事を書いてしましました。
→ 「公取委警告に対する旺文社の対応についての疑問(英語検定)」(6/9)
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