厚生労働省分割案と消費者庁の行方
麻生首相が今月15日の「安心社会実現会議」で、厚生労働省の分割話を持ち出して、社会保障省と国民生活省に分ける案の検討を指示したとのこと。
この「安心社会実現会議」というのは、内閣官房に置かれている首相の諮問会議だと思いますが、その趣旨としては
「我が国の経済・雇用構造の変化や少子高齢化の進展等の環境変化を踏まえ、国民が安心して生活をおくることがで きる社会(安心社会)の実現が急務となっています。安心社会の実現には、国家として目指すべき方向性や基本政策の在り方について、幅広い視点から、総合的な検討を行うことが必要です。
このため、安心社会の実現に向けた様々な課題について議論を行うため、内閣総理大臣が有識者の参集を求め、「安心社会実現会議」を開催することといたしました。」とされています。
→ 内閣官房サイト「安心社会実現会議」(名簿もあり)
これは正直言って何のための会議かわからない。
で、この厚生労働省分割の片割れが「国民生活省」ということのようなので、この分割話が報道された当初から気になっていたのですが、やっぱり・・・・・・新設予定の消費者庁を国民生活省の外局とする、という方針が素案に掲げられているようです。消費者庁の立ち位置として、現在予定されている内閣府の外局というのと、国民生活省の外局というのとではかなり違うんじゃないかなぁという感覚ですね。縦割り行政の中で埋没しそうな感じもします。民主党案の消費者権利院のような独立組織の地位から考えれば一層遠く離れることになりそうです。
この点まだ注目されていないようですが、見ていく必要がありそうです。もっとも、厚生労働省の分割自体、次の衆議院議員選挙後の話なので、その結果で全く違う話になるのでしょうが・・・
消費者庁設置法案は、29日にいよいよ成立の予定、と報道されています。
【追記】(5/27)
あるところから、上の国民生活省の外局という話は間違いだという情報をいただきました。それならばひとまず安心なのですが、ただ、「国民生活省」という名前の省庁ができてしまうと、消費者庁もそちらに置くべきだというのは、自然な考え方になっていかないかな。
【追記】(5/29)
厚生労働省の分割話自体があっさりと消えていきそうですね。
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