冷蔵庫断熱材のエコ表示についての排除命令(景表法)
本日、公正取引委員会は、日立アプライアンス株式会社(東京都港区)が販売する電気冷蔵庫に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するとして、排除命令を行っています。同社は、日立グループの家電・空調機器のメーカーのようですね。
→ 公取委サイト報道発表資料(PDF)
【違反事実の概要】
日立アプライアンスは、電気冷蔵庫9形式を取引先販売業者を通じて一般消費者に販売するに当たり、カタログや自社ウェブサイト、新聞広告、販売店掲示用ポスターなどに、「立体成形された真空断熱材を天面や底面などに採用」「リサイクル材を活用した真空断熱材」「真空断熱材製造工程でのCO排出量 約48%削減」などと記載することにより、あたかも、真空断熱材の芯材の原材料に廃棄冷蔵庫の棚等からリサイクルした樹脂を使用し、また、これにより、製造工程において排出する二酸化炭素量を約48%削減しているかのように表示していたが、リサイクルした樹脂を使用していたのは一部であり(詳細は公取委のサイトを見てください)、また二酸化炭素排出量の削減率は、約48%を大きく下回るものであった。
【排除措置の概要】
ア 前記表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良である
と示すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。
【追記】(4/21)
経産省の省エネ大賞受賞製品を売り文句にしていたこともあり、昨夜以来、マスコミでも大きく扱われていますね。会社側が、製造部門と広報部門の意思疎通の齟齬を理由にしていましたが、重要な「売り」の部分であり、あってはならないことだと思います。
→ 日立アプライアンスのニュースリリース
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