工業用ミシン糸の価格カルテル事件(独禁法)
東北地方の工業用ミシン糸販売価格についてのカルテル事件です。
公正取引委員会は、本日、東北地区に所在する縫製工場等向け工業用ミシン糸の販売業者3社に対し、独占禁止法3条(不当な取引制限の禁止)に違反したとして、排除措置命令及び課徴金納付命令(合計4169万円)を行っています。
→ 公取委サイト報道発表資料(PDF)
対象事業者は(〔〕内課徴金金額)、
株式会社シラカワ(東京都中央区) 〔2358万円〕
アズマ株式会社(東京都台東区) 〔1372万円〕
カナガワ株式会社(神奈川県愛甲郡)〔439万円〕
(違反行為の概要)
3社は、平成17年3月29日ころ、3社が直接又は特定販売業者を通じて需要者に販売する東北地区に所在する縫製工場等向け工業用ミシン糸の需要者渡し価格について、同年4月21日以降遅くとも同年5月21日までの受注分から、現行価格より10パーセント以上引き上げることを合意することにより、公共の利益に反して、東北地区に所在する縫製工場等向け工業用ミシン糸の販売分野における競争を実質的に制限していた。
(排除措置命令の概要)
(1)3社は、それぞれ、前記合意が消滅している旨を確認すること及び
今後、相互の間において、又は他の事業者と共同して、特定工業用ミ
シン糸の需要者渡し価格を決定せず、各社がそれぞれ自主的に決める
旨を、取締役会において決議しなければならない。
(2)3社は、それぞれ,(1)に基づいて採った措置を、自社を除く2
社に通知するとともに、特定販売業者のうち7社及び特定工業用ミシ
ン糸の需要者に周知し、かつ、自社の従業員に周知徹底しなければな
らない。
(3)3社は、今後、それぞれ、相互の間において、又は他の事業者と共
同して、特定工業用ミシン糸の需要者渡し価格を決定してはならない。
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