ポリエチレンシート製造販売業者に対する 排除措置命令・課徴金納付命令
本日、公正取引委員会は、架橋高発泡ポリエチレンシートの製造販売業者に対し、独占禁止法3条(不当な取引制限の禁止)に違反する行為を行っていたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行いました。
→ 公取委サイト報道発表資料(PDF)
違反行為者として認定されているのは、古河電気工業株式会社(東京都千代田区)、日立化成工業株式会社(東京都新宿区)、東レペフ加工品株式会社(滋賀県湖南市)、東レ株式会社(東京都中央区)、積水化学工業株式会社(大阪市北区)の5社です。
排除措置命令の対象は、古河電気工業、日立化成工業、東レペフ加工品、東レの4社で、そのうち、東レを除く3社に課徴金納付命令(合計10億6435万円)が出されています。東レが除かれているのは、同社が製造のみで販売は東レペフ加工品が行っていたためとのこと。
東レペフ加工品と日立化成工業については、自主申告による課徴金減免制度(リニエンシー)の適用事業者であることが公表されていて、各30%の課徴金減額がなされていることがわかっています。これは2番目以降の自主申告事業者であることは明らかですので、公表されていないけれども、当然ながら1番目の自主申告事業者がいて課徴金が全額免除されているわけです。
同制度の適用を公表することを申し出た事業者のみ公表されることになっています。でも、公表されていなくても、どの会社かは、わかってしまいますね。
長くなるので、違反行為の概要は省略します。
【排除措置命令の概要】
(1) 古河電気工業,日立化成工業,東レペフ加工品及び東レの4社は,それぞれ,
ア 前記2(1)の合意が消滅していることを確認すること
イ 今後,相互の間(東レペフ加工品と東レの間を除く。)において,又は他の
事業者と共同して,架橋高発泡ポリエチレンシートの需要者渡し価格を決定せ
ず,各社がそれぞれ自主的に決める旨を,取締役会において決議しなければな
らない。
(2) 4社は,それぞれ,前記(1)に基づいて採った措置を,自社を除く3社(東レ
ペフ加工品及び東レにあっては,古河電気工業及び日立化成工業)に通知する
とともに,自社(東レにあっては,東レペフ加工品)の架橋高発泡ポリエチレ
ンシートの取引先販売業者及び需要者に周知し,かつ,自社の従業員に周知徹
底しなければならない。
(3) 4社は,今後,それぞれ,相互の間(東レペフ加工品と東レの間を除く。)に
おいて,又は他の事業者と共同して,架橋高発泡ポリエチレンシートの需要者
渡し価格を決定してはならない。
(4) 4社は,今後,それぞれ,次の事項を行うために必要な措置を講じなければ
ならない。
ア 自社の従業員に対する,自社の商品の販売活動に関する独占禁止法の遵守
についての行動指針の周知徹底
イ 架橋高発泡ポリエチレンシートの販売活動に関する独占禁止法の遵守につい
ての,架橋高発泡ポリエチレンシートの営業担当者に対する定期的な研修及び
法務担当者による定期的な監査
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