「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」(総務省)
本日、総務省が、「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」を公表しています。
→ 総務省サイト報道資料
放送コンテンツ分野の、より透明で公正な製作取引の実現に向けて、総務省が開催していた「放送コンテンツの製作取引の適正化の促進に関する検討会」が、放送コンテンツに係る製作取引の現状を検証して、適正な製作取引のためのガイドラインの策定を行ってきたものということです。
主として、下請法と独占禁止法を対象としているものですが、放送法や著作権法にも触れています。
なお、このガイドラインの取りまとめについては、数日前に、朝日が大きく報道していました。実は、この報道では、テレビ業界が「総務省と自主ルールをまとめた」ということになっていたのですが、今日の正式発表を見ると、業界の「自主ルール」ではなく、監督官庁である総務省のガイドラインです。
下に、ガイドラインの目次を挙げておきますが、全体の構成としては、第1章で、ガイドライン策定の背景、目的や、ガイドラインでの用語の定義など、第2章は、総務省が収集した事例のうち、下請法や独占禁止法上問題となりうる事例を提示して、下請法や独占禁止法のガイドライン等に照らして留意すべき点、第3章は、下請法又は独占禁止法の趣旨を踏まえて行われている事例や、取引においてより推奨されるべき、望ましい取引事例などを挙げ、取引適正化に向けて参考とすべき具体的な事例を示した、というものとなっています。
〈目 次〉
第1章 はじめに
1 ガイドライン策定の背景
2 ガイドラインの内容
第2章 個別具体的な取引事例について(問題となりうる事例)
1 トンネル会社の規制(下請法第2条第9項関係)
2 発注書及び契約書の交付、交付時期(下請法第3条関係)
3 支払時期の起算日(下請法第4条第1項第2号関係)
4 買いたたき、不当な経済上の利益の提供要請等
(納入した番組・素材についての著作権の帰属、窓口業務)
5 買いたたき(下請法第4条第1項第5号関係)
6 不当な給付内容の変更及びやり直し(下請法第4条第2項第4号関係)
第3章 個別具体的な取引事例について(望ましいと考えられる事例)
1 発注書の交付等
2 支払期日の起算日(第2章-3関係)
3 不当な経済上の利益の提供要請等(著作権の帰属)
4 買いたたき
« Googleブック検索と著作権に関する米国での和解(クラスアクション) | トップページ | 独占禁止法改正案、明日の閣議に付議(公取委) »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- パイプテクター問題「田村淳の訊きたい放題!」で生討論(2019.11.29)
- 自民党への公取委説明の報道(芸能界と独禁法)(2019.09.08)
- 元SMAPメンバーの出演への圧力行為についての公取委の注意(独禁法)(2019.07.17)
- 「花粉を水に変える」など光触媒マスクに対する措置命令(景表法)(2019.07.04)
- TSUTAYAの動画配信サービスなどについての不当表示(消費者庁)(2018.05.30)
「法律」カテゴリの記事
- 台風被害によるマラソン大会の中止と参加費の返金(2022.05.13)
- 「クレベリン」(大幸薬品)措置命令まとめ(2022.05.05)
- 不実証広告規制(景品表示法)を合憲とする最高裁判決(2022.03.09)
- 「判例による離婚原因の実務」中里和伸著(LABO)」(2022.01.08)
- 「弁護士法72条違反で」とは(2021.10.18)
« Googleブック検索と著作権に関する米国での和解(クラスアクション) | トップページ | 独占禁止法改正案、明日の閣議に付議(公取委) »
コメント