情報公開請求訴訟最高裁決定と「インカメラ」
最高裁が、昨日(1/15)、裁判所だけが文書を見て開示の可否を判断する「インカメラ審理」が許されるかが争われた情報公開請求訴訟の決定で、「インカメラ審理」は、「情報公開法に明文規定がなく許されない」との初判断を示した、との報道を各社が行っています。
知的財産分野の訴訟など特定の訴訟については、法律で、この「インカメラ審理」の規定が定められており、公開されたり相手方に見せたりしたくない書類などを、裁判所だけが先に見て、開示するかどうかの判断を行うことができるようになっています。しかし、今回の訴訟においては、このような規定がない、として、原告の主張を斥けたものです。
この「インカメラ」ですが、もちろん、上記のように特定の訴訟では導入されており、この用語も最近は専門家であれば多くの人が知っている言葉です。しかし、恥ずかしながら、ずっと、「インカメラ」の「カメラ」は写真機のことだとばかり思っておりました。in camera というのも、英語的には変な言葉だな、とは思ってはいたのですが。
ところが、上記最高裁決定を取り上げておられる町村教授のブログを拝見すると、そうではなく、ラテン語から来た言葉で、「部屋の中」「裁判官室の中」を意味する言葉だそうで、写真機とは関係ないそうです。
思いこみというのは怖いですね。
法律学関係では、ラテン語発祥の言葉も時々出てきて、正直、分からないことも多いのですが、法律ラテン語辞典などというのもいくつか出版されています。ネットでは、Wikipediaに、これらの用語を集めたページを見つけました。「インカメラ」も入ってますね。
→ Wikipedia「法学のラテン語成句の一覧」
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