大気監視計測器製造販売業者の談合(公取委)
本日、公正取引委員会は、大気常時監視自動計測器(大気中の物質を連続的に測定するための自動計測器)の製造販売業者である東亜ディーケーケー(東京都新宿区)、堀場製作所(京都市)、紀本電子工業(大阪市)の3社に対し、独占禁止法3条(不当な取引制限の禁止)に違反する行為を行っていたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行いました。
この3社以外に、違反事業者としては、島津製作所(京都市)がありますが、自主申告に基づく課徴金減免制度により、同社は課徴金全額免除となり、また、同社は平成17年12月28日以降、対象製品の販売を中止し、違反行為を取りやめているということで、排除措置命令と課徴金納付命令の対象事業者にはなっていません。また、東亜ディーケーケーと堀場製作所の2社も課徴金減免制度により30%の減額を受けています。
〈違反行為の概要〉
上記4社は、遅くとも平成16年6月10日以降、国の機関等が競争入札等の方法により発注する特定大気常時監視自動計測器について、受注価格の低落防止を図るため
1 調整役に直接又は間接に受注の希望の有無を表明し
ア 受注希望者が1社のときは、その者を受注予定者とする
イ 受注希望者が複数のときは、過去の納入実績等を勘案し、調整役を介
して受注希望者間の話合いにより受注予定者を決定する
2 受注すべき価格は、受注予定者若しくは調整役が単独で又は両者が協議
して定め、受注予定者以外の者は、受注予定者が受注すべき価格で受注で
きるよう協力する
旨の合意の下に、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにすることにより、公共の利益に反して、官公庁発注の特定大気常時監視自動計測器の取引分野における競争を実質的に制限していた。
〈排除措置命令の概要〉
1 東亜ディーケーケー、堀場製作所及び紀本電子工業の3社は、それぞ
れ、前記行為を取りやめている旨を確認すること及び今後、相互の間に
おいて、又は他の事業者と共同して、官公庁発注の特定大気常時監視自
動計測器について、受注予定者を決定せず、各社がそれぞれ自主的に受
注活動を行う旨を取締役会において決議しなければならない。
2 3社は、それぞれ、1に基づいて採った措置を、自社を除く2社に通
知するとともに、特定大気常時監視自動計測器を発注する国の機関及び
地方公共団体並びに販売業者に通知し、かつ、自社の従業員に周知徹底
しなければならない。
3 3社は、今後、それぞれ、相互の間において、又は他の事業者と共同
して、官公庁発注の特定大気常時監視自動計測器について、受注予定者
を決定してはならない。
〈課徴金納付命令の概要〉
東亜ディーケーケー 6656万円
堀場製作所 3706万円
紀本電子工業 2415万円 (合計1億2777万円)
« 東京スター銀行が三菱東京UFJ銀行に独禁法24条の差止請求訴訟 | トップページ | 平成20年度旧司法試験合格発表(法務省) »
「法律」カテゴリの記事
- 「NMRパイプテクタ-」(日本システム企画)についての記事(週刊新潮)(2020.09.18)
- 「京都芸術大学」名称差止訴訟判決を引き続き考える。(2020.09.09)
- 「京都芸術大学」の名称の差止訴訟判決(請求棄却・不競法)(2020.09.07)
- コンビニ本部と加盟店との取引に関する実態調査報告書(公取委)(2020.09.02)
- 経産省「電子商取引等準則」改訂(債権法改正関係)(2020.09.01)
« 東京スター銀行が三菱東京UFJ銀行に独禁法24条の差止請求訴訟 | トップページ | 平成20年度旧司法試験合格発表(法務省) »
コメント